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選手とファンとの心の触れ合い、フィギュアのバナー(2ページ目)

フィギュアスケートの大会やアイスショーでは、色とりどりの応援バナー(横断幕)が掲げられます。今回は、その応援バナーをフィーチャーします。

執筆者:長谷川 仁美

忘れられないバナー

21世紀になってからのバナーをぼんやりとおおよそ見てきた中で、強烈に忘れられないバナーがあります。

2002-03シーズン序盤のスケートアメリカで、アレクセイ・ヤグディン(ロシア、2002年ソルトレイクシティ五輪金メダリスト)は、ショートプログラムを1位で終えた後のフリーを臀部の痛みで棄権し、出場予定だったラリック杯を欠場することになりました。

この棄権と故障によって、ヤグディンも心を乱されていたようでしたし、フィギュアスケート界全体に、どこか「この先、ヤグディンは試合に出られるのだろうか」という重い空気が漂い始めていました。

そういう状況で開催されたラリック杯でのバナーです。ジャッジの正面の真ん中に、そのバナーは掲げられました。ジャッジ側にあるテレビカメラで撮影される選手たちの演技の後ろに、何度も何度も映り込むポジションです。

他の選手の付き添いで来ていた、ヤグディンのコーチだったタチアナ・タラソワは、「このことを必ずアレクセイに伝えるわ」とコメントしていたそうです。

ほかにほとんどバナーがなかったこともあって、白地に黒か紺色のアルファベットだけの大きなそのバナーは、テレビ越しにもよく見ることができました。
そこに書かれていたのは、

「ALEXEI
WE’RE THINKING OF YOU」
(アレクセイ、あなたのことを考えてます)

とてもシンプルで、ファンの思いが集約された言葉でした。

ヤグディンだけでなく、彼のことを心配していた世界中のたくさんのファンの心にも、このバナーは強く焼きつきました。
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