こだわりの和スイーツは艶やかな漆の器でいただいて
惜しまれながらも閉店した甘味処「枡形」から引き継いだ人気メニューの「抹茶クリームぜんざい（780円）」
安永9年（1780年）創業、230年以上の歴史を持つ老舗漆器店「能作」が営む甘味処 漆の実。店舗の1階は普段使いの漆器を中心に、2階が輪島塗のスペース、3階が茶道具や加賀蒔絵を扱っており、カフェは4階です。
1階の販売スペースを抜けて奥のエレベーターで上がるので、ちょっと入りにくいかもしれませんが、街の喧騒から遠ざかり、のんびり寛ぐことができます。
薫り高い羅臼昆布を用いた昆布茶に上品な能登大納言の餡を添えて（580円）
一番人気は抹茶クリームぜんざい（780円）。ふっくらと炊き上げられた能登大納言の上に、注文が入ってから茹でる弾力のある白玉が乗り、それを囲むように濃厚な抹茶アイスクリームがたっぷり添えられていて、ボリューム満点。もちろん、味も文句なしです。
漆器店が手掛けるカフェということで、器もお盆もカトラリーに至るまで艶を帯びた漆器で供されるのですが、和菓子が美しく映えて食べてしまうのが勿体ないくらい。やはり和には和、和菓子には漆器がよく合います。
テーブルの上にある可愛らしい大小のリンゴは砂糖壺とつまようじ入れ。赤・緑・茶の3色揃ってます。
漆の実はまた、茶席・料亭専門の和菓子店「吉はし」の上生菓子をいただける数少ないお店のひとつで、吉はしのお菓子が付いてくる抹茶もしくは珈琲セット（750円）もおすすめです。
■甘味処 漆の実
住所：〒920-0962 金沢市広坂1-1-60
TEL：076-263-8121
営業時間：11:00～18:30
定休日：水曜日（8月は無休）
和菓子派も洋菓子派も魅了する、とびきり美味しいパティスリー
奥：私的金沢NO.1モンブラン（561円）、手前：甘さと酸味のバランスが絶妙なフロマージュ クリュ（475円）
2013年にお目見えしたパティスリー オフク。元々はお婦久軒という1919年創業の老舗和菓子屋さんだったのですが、パティシエとして東京で働いていた4代目の西川開人さんが帰郷を機に洋菓子＆和菓子の店としてリニューアルオープンしました。
白木を基調にした明るい店内には、開人さんが作る煌びやかなケーキや焼き菓子、美しいショコラ、デザートみたいなコンフィチュールに交じって、今も変わらず地元民に愛され続けている3代目の和菓子が燦然と並び、和菓子にも洋菓子にも目がない私のようなスイーツ好きにとってはまさに天国！
シャンティーフレーズ（496円）＋苺ふくさ（162円）という和洋取り混ぜてのイチゴ尽くしもオフクなら可能
さらに木曜日と週末にはサクサクのクロワッサンも登場するほか、季節やイベントに応じて限定ケーキやその場で頬張りたくなるヴィエノワズリー、キッシュも顔を覗かせ、毎日でも通いたくなります。
開人さんは「マンダリンオリエンタル東京」でスーシェフを勤めていた方で、その実力は折紙付き。実際、開人さんが創りだすケーキは掛け値なしに素晴らしく、個人的に金沢NO.1だと思っています。
ショコラも充実。ショーケース左上の籠に盛られている「あんドーナツ」は夕方には完売することもあるお婦久軒の頃からの名物。
2階はカフェスペースになっていて、1階で選んだスイーツを珈琲や紅茶と一緒に堪能することができます。金沢21世紀美術館のすぐ傍という好立地なので旅行者にも利用しやすく、観光に疲れたら極上スイーツで糖分補給、エネルギーチャージを！
■パティスリー オフク
住所：〒920-0962 金沢市広坂1-2-13
TEL：076-231-6748
営業時間：10:00～19:00
定休日：月曜日（祝日の場合は翌日）
