iOS向けアプリの一斉値上げ
4月3日、iPhoneやiPad向けの有料アプリが一斉に値上げされました。これまで100円単位だった価格のほとんどが、120円単位に設定されました。有料アプリだけでなく、アプリ内購入(広告非表示やゲームアイテム購入など)も値上げされました。有料アプリのほとんどは120円単位に
Mac向けのアプリストアでも、同じように値上げされています
実は前日の早朝に、アップル社からアプリ開発者向けに「24時間以内に値上げを行う」という主旨のメールが送られていたのです。一体、アプリの価格はどのようにして決められているのでしょうか。
キーワードは「最低価格」と「アップル為替」
iOSアプリでは、アメリカの「最低価格」が0.99ドルであり、以降1ドル単位でしか設定できません。アメリカ以外の国にも、このルールが適応されます。そして、アップル社が事前に決めた為替、いわば「アップル為替」に準じて、各国での販売価格が決められます。日本では、4月2日以前では1ドル=100円というアップル為替で計算していたため、日本でのiOSアプリの「最低価格」を100円として、100円単位で設定されていました。ところが昨今の円安により、1ドル=100円の為替ではアップル社の収益に悪影響がでるため、アップル為替を1ドル=120円にしたのです。
実は、3月に発表された新MacシリーズやApple Watchも、1ドル=115円から120円で換算されていたため、アプリの値上げも時間の問題だろうと予想されていました。
理由は「円安」と「消費税」
iOSアプリ価格の変動は、今回は初めてではありません。これまでも2回にわたって、実際の為替に応じてアップル為替を調整しています。実際の為替とアップル為替の変動(アプリ販売は2008年7月からスタート)
特に今回は、消費税増税も影響していると考えられます。アプリ価格は税込みの価格のため、昨年4月の消費税8%への増税分はアップル社が負担しています。来年4月には消費税10%になるため、そのままの価格では、さらに収益が圧迫されるのです。
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