イタリア/イタリアのおすすめエリア

メディチ家の里山も満喫!仮面だらけの貴族の館ホテル

仮面荘(ヴィラ・レ・マスケレ)という、とっても素敵な元トスカーナ貴族の館ホテルです。フィレンツェから約40キロ、大自然の中で快適にゆったり過ごせ、ユネスコ世界遺産「メディチ家ヴィラ群」のアクセスも便利です。

河村 英和

執筆者:河村 英和

イタリアガイド

フィレンツェ近郊の素敵な隠れ家ホテル「ヴィラ・レ・マスケレ」

villa le maschere

フィレンツェ近郊にあるホテル「ヴィラ・レ・マスケレ」 (c)Ewa Kawamura


terrazza

ヴィラ・レ・マスケレの庭園に面したテラス (c)Ewa Kawamura

このホテル「ヴィラ・レ・マスケレ(仮面荘)」は、フィレンツェから北に40キロの位置にある村、バルベリーノ・ディ・ムジェッロ(Barberino di Mugello)にあるとっても素敵なホテルです。このホテルの近くには、2013年にユネスコ世界遺産登録された「12軒のメディチ家のヴィラと2つの庭園」のうち、2軒の城塞型のヴィラ・カファジョーロ(Villa medicea di Caffagiolo)とトレッビオ城(Castello del Trebbio)があります。ホテルからほど近いカファッジョーロの城塞の隣りには、メディチ家が開いたマヨルカ焼き陶器工場(カファッジョーロ窯)の建物も。

Villa Caffagiolo

ホテルのすぐ近くにある15世紀メディチ家の城塞型ヴィラ・カファッジョーロ (c)Ewa Kawamura

なおフィレンツェからこのホテルのある方角に向かう途中には、同じく世界遺産登録リストにある元メディチ家の庭園プラトーリノ園(Giardino di Pratolino)、通称ヴィラ・デミドフ(Villa Demidoff)もあります。ただしこの界隈はバスの本数も少なく大変不便なので、やはりここはレンタカーを活用して、このホテルを起点にし、周辺のヴィラ群や近くの村にある有名なキーニ陶器工場(Manifattura Chini)などもまとめて見学してしまうのが効率的でしょう。

>>>メディチ家の庭園プラトリーノ(ヴィラ・デミドフ)についてはこちら

歴史文化遺産としての建物の見どころ

affreschi

館内礼拝堂の円天井部分に描かれたバロック期のフレスコ画 (c)Ewa Kawamura


maschere dettagli

正面ファサードにあるマスケレ(仮面、怪物顔)のレリーフ (c)Ewa Kawamura

「仮面荘」こと「ヴィラ・レ・マスケレ」の名の由来は、正面ファサードのコーニス(三角破風屋根の下部)にある22個の仮面(怪物のような顔で、イタリア語でマスケレ)のレリーフから。そのため、ホテルのロゴやデザインにもこの仮面のモチーフがうまく使用されています。この建物は、16世紀後半に建設され、1611年にフィレンツェのジェリーニ侯爵家(Gerini)の所有になり、そのときに大規模な改装が行われ、館の随所にジェリーニ家の紋章があしらわれています。

stemma gerini

館の随所にみられるジェリーニ家の紋章 (c)Ewa Kawamura

建物の玄関側ファサードはルネッサンス様式で、一方庭側のファサードでは、蛇行したテラス階段部分など、バロック様式の面影がみられるのは、17世紀末にフィレンツェ出身のバロック建築家ジョヴァンニ・バッティスタ・フォッジーニ(Giovan Battista Foggini)(1652-1725)の手が入ったためです。ですから館内にある礼拝堂(現在は会議室に使用)もバロック様式になってます。

廃墟のヴィラが高級ホテルに生まれ変わった!

hall

ヴィラ・レ・マスケレのロビーラウンジ (c)Ewa Kawamura

sala colazione

爽やかな雰囲気の朝食の間 (c)Ewa Kawamura

ヴィラ・レ・マスケレの黄金期は、18世紀から19世紀にかけて、周辺で最も美しいヴィラの一つと称賛されていました。しかし数々の所有者の変遷を経て、第二次世界大戦中は、ドイツ軍そしてアメリカ軍に接収され、戦後は荒廃の一途を辿り、もはや収拾つかぬほどの無残な廃墟と化しました。そしてついに2000~2008年に修復、高級ホテルとして生まれ変わったのです。格付けは5つ星、スモール・ラグジャリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールドの加盟店でかつ、良質でリーズナブルなイタリアのデザイン系ホテルチェーンUNA Hotels & Resorts内のホテルとなりました。

camera

客室の一例 (c)Ewa Kawamura

シンプルながらエレガントでスタイリッシュな雰囲気の内装で、美味しいグルメレストラン、上品な屋外プール、ビューティーセンターを備え、本館と離れにある客室は、すべて異なるインテリアでネオ・リージェンシー様式となっています。ユネスコ世界遺産のメディチ家ヴィラ群巡りのときには、ぜひとも合わせて泊まってみるべき素晴らしいホテルです!

<DATA>
Villa Le Maschere(ヴィラ・レ・マスケレ)
住所: Via Nazionale 75 - Loc. Le Maschere, 50031 Barberino di Mugello
TEL:+39 055 847432
料金:250ユーロ~

【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場でイタリア関連の書籍を見るAmazon でイタリアの旅行ガイドを見る
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます