株式戦略マル秘レポート/西村剛の「統計で勝つトレード」

3月勝率78%の銘柄とは?

3月相場は、株価上昇しやすい傾向のある月です。今回は、例年3月相場で過去に優れたパフォーマンスを残したおすすめの銘柄をご紹介します。

西村 剛

執筆者:西村 剛

株式ガイド

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3月株式市場の傾向

銘柄をご紹介する前に、3月の株式市場の傾向と今年の相場環境について振り返りましょう。2月末に全銘柄を購入し、3月末に売却した場合の成績は以下の通りです。

【検証結果】3月相場の動向

システムトレードの達人

システムトレードの達人


勝率: 52.87 %
勝ち数: 37,377 回
負け数: 33,314 回
引き分け数: 1,831 回

平均損益(円): 3,450 円  平均損益(率): 1.72 %
平均利益(円): 20,770 円  平均利益(率): 10.39 %
平均損失(円): -15,793 円  平均損失(率): -7.90 %

合計損益(円): 250,175,530 円  合計損益(率): 125,088.55 %
合計利益(円): 776,305,461 円  合計利益(率): 388,161.44 %
合計損失(円): -526,129,931 円  合計損失(率): -263,072.89 %

プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 1.476
平均保持日数: 27.64 日

検証結果を見てみると、3月の株式市場は勝率が52.87%、1トレードあたりの損益額を示す平均損益は1.72%となっています。勝率が5割を超えており、1トレードあたりの平均損益もプラスとなっていることから、3月相場は株価上昇しやすいと言えるでしょう。

3月相場は、3月決算企業の決算対策や、機関投資家が運用ファンドの利回り評価の引き上げを目的としたドレッシング買いが入りやすい月と言われています。また、個人投資家は配当や株主優待権利を目的に買いを入れる傾向にあります。一方で、法人企業や機関投資家が決算対策に株式を売却することから、売りが出やすい月とも言われています。買い勢力、売り勢力ともに材料豊富な3月相場ですが、過去のデータを用いて検証した結果を見ると、総合的に見て上昇しやすい傾向があると言えるでしょう。

では、次に直近の日本株市場と今年の3月相場について考えてみたいと思います。

直近の日本株市場と2015年3月相場で注目の業種

日本株市場は、ギリシャ債務問題が一旦落ち着きを取り戻したことから投資家に買い安心感が広がり大きく株価は上昇しています。日経平均株価はリーマンショック前の水準まで回復し、一時、18800円台の値をつけるまで株価上昇しました。短期急騰による過熱感はありますが、株価上昇にあわせて企業業績も回復しており、業績拡大を背景に今後も日本株式市場は堅調に推移する期待が持てそうです。

なお、直近の株価上昇を牽引しているのは、「銀行株」です。「銀行株」はこれまで、成長性が評価されず、他の業種と比較しても割安な株価で放置されていました。しかし、銀行株が軒並み好決算を発表したことで、出遅れ銘柄として注目が集まり「銀行株」に対する、再評価の気運が大きく高まっています。当面、銀行株に注目が集まる可能性は高く、3月の投資戦略を考える上では、「銀行株」に注目することで、値上がり益に期待が持てそうです。

また、システムトレードの観点から見ても、3月相場は、銀行株と相性が良いことが分かります。下記の表は、東証33業種と3月相場についてそれぞれ検証し、検証結果をまとめた表です。銀行業は、「勝率63.65%、平均損益2.31%」です。他の業種と比較しても、良好な成績と言えるでしょう。

業種別サマリー結果

業種別サマリー結果
 

では、このような3月相場で、今年も好調なパフォーマンスが期待できる銘柄をご紹介したいと思います。

3月に優れたパフォーマンスが期待できる銘柄とは?

今回ご紹介したい銘柄は、「琉球銀行<8399>」です。以下では、同行の詳細についてご説明します。

【事業内容】
同行は、沖縄県で、銀行業務、クレジットカード業務、信用保証業務などの金融サービスを手掛けています。

【財務分析(ファンダメンタル)】
直近発表した第3四半期決算では、経常収益412億3000万円(前年同期比+40.9%)、経常利益71億4200万円(同+34.9%)、当期純利益46億5700万円(同+51.2%)と大幅な造酒増益を達成し、同時に、通期予想の上方修正と中期経営計画の発表もしています。足元の業績は、リース会社を連結子会社化したことや、資産運用による有価証券の利息や配当金が増加したことで大幅な増収増益となりました。中期経営計画を見ると、沖縄経済活況を背景に融資の需要拡大を見込んでおり、引き続き堅調な業績拡大に期待が持てるでしょう。

【システムトレード分析】
「琉球銀行<8399>」と3月の相性の良さを、システムトレードの観点からみるために、2月末に同行株を購入し、3月末に売却した場合の検証を行いました。検証結果は以下の通りです。

■検証結果■

システムトレードの達人

システムトレードの達人


勝率: 78.26 %
勝ち数: 18 回
負け数: 5 回
引き分け数: 0 回

平均損益(円): 4,588 円  平均損益(率): 2.29 %
平均利益(円): 8,974 円  平均利益(率): 4.49 %
平均損失(円): -11,201 円  平均損失(率): -5.60 %

合計損益(円): 105,519 円  合計損益(率): 52.76 %
合計利益(円): 161,525 円  合計利益(率): 80.77 %
合計損失(円): -56,006 円  合計損失(率): -28.00 %

プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 2.884
平均保持日数: 27.30 日

3月の株式市場は全銘柄の勝率が52.87%であるのに対して、「琉球銀行<8399>」の3月の勝率は78.26%です。この結果から、同行は、3月相場との相性が良いと判断できるでしょう。3月の投資戦略を考える上では、同行に注目してみてはいかがでしょうか。

相場との相性が良い好調銘柄ランキング

今回ご紹介した「琉球銀行<8399>」のように、3月相場と相性のよい銘柄は多数あります。下記の表は、銀行株の中でも勝率の高い銘柄ランキングです。勝率が70%以上の銘柄をピックアップしています。優れたパフォーマンスが期待できる銘柄に注目することで、株価上昇する期待も持てるでしょう。3月の投資戦略を考える上で、今回ご紹介したような、良好なパフォーマンスが期待できる銀行株に注目してみてはいかがでしょうか。

システムトレードの達人より作成

システムトレードの達人より作成


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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします。)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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