住まいのプロが提案「イエコト」/プロが提案!住まいのヒント

知ってた?冬場の寝室こそヒートショックに要注意(2ページ目)

冬場にヒートショックを起こし死亡事故につながるケースが急増しますが、洗面所、浴室、トイレだけでなく、寝室の温度管理も大切だってご存じでしたか?

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

真冬の寝室との温度はどのくらい?

家の断熱がしっかりできていれば夜中でも一定の室温をキープできる

家の断熱がしっかりできていれば夜中でも一定の室温をキープできる

真冬の夜中、暖房器具を消して何時間も経った後の、寝室の室温は何℃くらいになっているかご存じですか?

夜中の寝室の室温は、その家の断熱性の良し悪しによって差が出ます。よく耳にする「高断熱・高気密」という概念はここ最近のもので、古い建物の中には無断熱で隙間風が入るもの、断熱材が入っていたとしても薄いものなどもあります。

そのような家であれば寝室の室温は外気温程度まで下がり、一方で高断熱・高気密でつくられた比較的新しい家なら18℃程度はキープしているのではないでしょうか。その中間くらいの築年数の家であれば、真夜中の寝室は10℃程度くらいまで下がっているかもしれません。


 

ふとんの中の温度と室温の差に注意

ふとんの中は思いのほか暖かい

ふとんの中は思いのほか暖かい

ここで気をつけたいのはふとんの中の温度と室温の差です。寝具メーカーの東京西川の「眠りのレシピ」によると、ふとんの中の理想の温度は「33±1℃」とのこと。

もしふとんの中の温度が33℃、寝室の室温が10℃だとしたら、夜中にトイレやのどの渇きで布団を出た瞬間に23℃もの温度差が生じることになり、ヒートショックの危険性はより高くなります。

 

冬の寝室の適正室温はどのくらい?

それでは冬の寝室の適正室温はどのくらいなのか確認しておきましょう。「高齢者のための建築環境」(日本建築学会編/彰国社)によると、一般の人の冬の寝室の適正温度は18±3℃、高齢者は20±2℃となっています。

夜中暖房せずにこの室温をキープするのは難しそうに感じますが、まずは健康のためにこのくらいの室温が必要だということを覚えておきましょう。

 

ヒートショック予防にできることは?

家全体の断熱性能を上げると健康によく光熱費も抑えられる

家全体の断熱性能を上げると健康によく光熱費も抑えられる

真冬のヒートショック予防のためにも、まずは家そのものの断熱性能を上げることが大事です。寒い家に住んでいる人は、断熱性向上リフォームを検討してみてください。

断熱性向上リフォームには「床・壁・天井に断熱材を充填する」「窓を二重サッシにする」などの方法があります。やや大がかりな工事になるため、家全体に行うのは難しいかもしれません。そんな時は、まずは寝室、浴室、トイレなど、ヒートショックの心配がある場所から始めてもよいと思います。窓を二重サッシにするだけでも暖かさはだいぶ違います。

これから新築する人は

これから家を建てる人は、夏だけではなく、冬もむねとした断熱計画のもと、高断熱・高気密仕様の家を建てましょう。しっかり断熱がしてある家は、住戸の室内間の気温差が少なくなり、ヒートショック予防になります。また、風邪をひきにくくなるなど、家族の健康にいい影響を与えます。

【参考サイト】
眠りのレシピ(東京西川)
平成21年度「不慮の事故死亡統計」の概況(厚生労働省)

【関連記事】
ヒートショック!? 冬場のお風呂に要注意
ヒートショックを防ぐ!トイレの快適温度

Copyright(c)2014 住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所 All rights reserved.



  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます