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フィギュア選手たちが直面する、年齢と演技の関係(2ページ目)

フィギュアスケーターの村主章枝さんが、現役生活からの引退を表明しました。33歳まで現役選手を続けるのは、フィギュアスケートではかなり稀なこと。そこで今回は、フィギュアスケートでの、年齢と演技との関係について、技術面と表現面のピーク時期の差についてお話しします。

執筆者:長谷川 仁美

表現面の充実は、年齢を経てから訪れる

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とはいえ、フィギュアスケートの魅力は技術面だけではありません。音楽に合わせて、数分間そのリンクにいる観客を魅了してしまうような表現面もとても重要です。

“表現力”と呼ばれるこのスキルは、身体とは違って年齢を経るごとに深みを増していくもの。単純に考えて、10歳の子どもよりも30歳の大人の方が、人生経験も多く、ひとつのことを表現するにも様々に考えてトライするので、見ている人に届く演技をすると想像されます。

進学したり引っ越ししたり、友達とケンカしたり、恋をしたり失恋したり……そんな経験が、知らず知らずのうちに選手たちの演技に出てくるものです。

そのため、そういった人生の経験値が増えてくる20歳をすぎたあたりから、選手たちの演技はより魅力的になってきます。

女子シングル、ペアの日本代表として活躍したのち、国籍をロシアに変え、ロシア人としてペアを続けている川口悠子選手は、荒川静香さんと同じ32歳(11月20日で33歳)。現在もロシア代表として現役を続けています。シングルとペアとでは、必要とされるエレメンツ(ジャンプやリフトなど)が違っているので一概に比べることはできませんが、それでもこの年齢で世界トップレベルで戦っていることに、敬意を覚えます。

昨シーズンは、10月にパートナーのスミルノフが怪我をしたためにシーズン中に試合に出ることができなかったのですが、今シーズンに入ってからは10月末のスケートアメリカで優勝しています。

川口&スミルノフは、2人の動きがぴたりと合って同じ軌道を描いで滑ったりするユニゾンが際立って美しいペアです。今の採点方式では、ペアでユニゾンがそれほど重視されていないのですが、ペアの美しさは、基本にきちんとしたユニゾンがあるかどうかだと、私は感じています。一朝一夕には成しえない彼女たちのユニゾンの美しさ、叙情性は、年若い選手たちにはなかなか出せないものです。

10月末から毎週末、グランプリシリーズが開催されています。今週末はロシアでのロステレコム・カップ、来週末はフランスでのエリック・ボンパール杯、その次は大阪でのNHK杯。

各大会のテレビ放送も豊富な今、ぜひ、選手たちの年齢にも注目して見てください。
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