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日米野球は小さな巨人・アルテューベのプレーに注目

今オフ、2006年以来8年ぶりに開催される日米野球。数多くのスター選手が来日するが、そのなかでもとくに注目なのが“小さな巨人”と呼ばれているホセ・アルテューベ内塁手だ。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

イチロー以来の快挙を達成した小さな巨人のスゴさ

日米野球では、現役メジャーリーガーの中でもっとも身長が低いながら、大活躍を見せるホセ・アルテューベ内塁手に注目だ。

日米野球では、現役メジャーリーガーの中でもっとも身長が低いながら、大活躍を見せるホセ・アルテューベ内塁手に注目だ。

今オフ、2006年以来8年ぶりに日米野球が開催される。11月11日の甲子園球場を皮切りに、12日に京セラドーム、14日から16日は東京ドームで3試合、18日には札幌ドームで行われ、20日にはエキジビジョンゲームとして沖縄でも開催される。

来日するメジャー軍団には豪華な顔ぶれが揃った。アルバート・プホルス(エンゼルス)を始め、ロビンソン・カノ(マリナーズ)、アダム・ジョーンズ(オリオールズ)、ヤシエル・プイグ(ドジャース)、ジャスティン・モーノー(ロッキーズ)、ブライス・ハーパー(ナショナルズ)らだが、この錚々たるメンバーに混じって選ばれたのが、ホセ・アルテューベ内塁手(アストロズ)だ。今季、打率.341、56盗塁で、ア・リーグの首位打者と盗塁王の2冠に輝いた。最多安打(225本)を合わせると3冠で、この3つのタイトルを同一シーズンに獲得したのは2001年のイチロー以来の快挙である。しかも、身長が約168センチ、厳密にいえば167.6センチ(5フィート6インチ)で、現役メジャーリーガーの中で最も低い。だからこそ“小さな巨人”と呼ばれている。

首位打者、盗塁王、最多安打の中で、最も評価が高いのは最多安打(225本)だろう。2000年代に入ってから220安打以上を記録したのは、イチロー(当時マリナーズ)、ダレン・アースタッド(元エンゼルス)、フアン・ピエール(元マーリンズ)、マイケル・ヤング(元レンジャーズ)と合わせ5人だけだ。しかも、右打ちはアルテューベだけである。また、殿堂入り間違いなしのクレイグ・ビジオの持つ球団記録(210本)も塗り替えている。今季、メジャーリーグの中で最もブレークした選手といえるだろう。

近年、メジャーリーグでは、黒田、ダルビッシュ、岩隈、上原、田中と日本人投手は活躍しているが、日本人野手は苦戦を強いられている。しかし、身長はもとより、体重も80キロであることを考えれば、アルテューベの存在と活躍は日本人に勇気と方向性を与えてくれる。

「背が小さいからといって、自分の可能性に限界を設けるようなことはしない。自分の持っている100%の力を出してプレーすることだけを心がけている。もちろん、背が小さい分、他の選手より一生懸命トレーニングをしなければならないことはわかっているけどね。野球が大好きな気持ちと、一生懸命に戦う姿勢を忘れなければ、背の小ささなんて補うことはできると思う」

8年ぶりの日米野球は、この“小さな巨人”のハッスルプレーを見るだけでも価値があるだろう。
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