1964年のオリンピックが創り出した近代都市としての東京は今や飽和状態に達し、その役割を終えようとしています。2020年のオリンピックは、都市木造の可能性を考える貴重な機会と考えられ、それ以降の都市の姿に大きな影響を及ぼすことになります。
本展覧会では、それからの東京のあるべき一つの姿を模型や情報展示でご紹介し、加えて実物大の木造スタンドと、2000年以降に建てられた100の木造建築の模型を展示しています。
2020年という一つの道しるべに向かっていく現在の動きと、2020年以降の動きを実感していただける展覧会になっています。
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1階) 東京都港区南青山5-6-23
開館時間:11:00-20:00(会期中無休)入場無料
主催:NPO法人 team Timberize
問い合わせ先:NPO法人 team Timberize 事務局
Tel. 03-5369-4090 Mail:info@timberize.com
2020年の東京オリンピックへの提言
会場は、2020年の東京オリンピックへの大規模木造建築による提言と、2000年以降に建てられた100の木造建築模型の展示の2つに分かれています。吹抜けの展示スペースには、有明地区に点在する2020年の東京オリンピック関連の競技施設を、様々な木造の大構造で提案した200分の1の模型が並んでいます。さらにそれらの大型競技場を結ぶ交通ネットワーク「モジュラー・ウッドデッキ・システム」も提案されています。
その奥は50分の1の縮尺の晴海地区の大型模型と壁面の立体的なパネルで、オリンピック閉会後に選手村が都市として生まれ変わることを想定した「アフター2020の木造化木質化された都市風景」が展示されています。
また、スパイラルのスロープの内側には、 実物大のLVLによる『又』の字ユニットで造られた「木造仮設スタンド」が設置され、来場者が実際に座って木質構造を体感することが出来ます。
1. 東京オリンピック関連の展示を見下ろす。
2. 手前は大断面集成材の木版リング積層構造による、すり鉢状の多目的アリーナ「有明アリーナ」。
3. 手前は木造の軽い屋根が架かる「体操競技場」。
4. 集成材によるハニカム構造の屋根が架かる「辰巳アクアティック」 。
5. 自転車競技用の「ベロドローム」。背後は「モジュラー・ウッドデッキ・システム」。
6. 極大大断面集成材を用いたハイブリッド構造による「丘の上のスタジアム」。
7. オリンピック後解体されたの施設の木材再利用による街づくりの提案。
8. 9. 一万人以上の住む晴海地区の選手村の施設群を高層の木造建築で造る。模型の縮尺は50分の1。
10. 11. LVLによる『又』の字ユニットで造られた「木造仮設スタンド」。
会場を埋め尽くす100の木造建築の模型
2階へ続く緩やかな階段には、2000年以降に建てられた100軒の木造の建築作品が並びます。team Timberizeの呼びかけに応えて寄せられた、用途も規模も構造も異なるバリエーションに富んだ木造建築のオンパレード。イタリアの山岳都市を連想させる展示は圧巻です。また、実物を展示した「木と木造構造の基礎知識」や、各地を巡回した2010年の[ティンバライズ建築展-都市木造のフロンティア]を紹介したコーナーも必見です。
本展は9月15日の会期終了後、木場の「新木場タワー」18階レセプションルームで10月末まで移設展示されます。五輪会場にも近い場所での1ヶ月間のロングラン展示です。本展を見逃した方は是非こちらにお出かけ下さい。
今週末に会場でトークセッションも開催
今週末の9月13日(土)と15日(月・祝)の14時~16時に、会場にてトークセッションが催されます。13日は「かつて日本は木橋の国だった」、15日は「木造とこれからのまち」と題して展開される、team Timberize代表の腰原幹雄氏と各パネラーによる白熱のトークセッションにご期待下さい。なお参加費は無料です。
オープニングレセプションで挨拶するteam Timberize代表の腰原幹雄氏。