逆転する特典の意味
特典にこだわりすぎず、ほどほどに。ゲームをじっくり楽しんで欲しいと思います(イラスト 橋本モチチ)
妖怪ウォッチは空前の大ブームとなりました。レベルファイブはその流れをより大きなものにしようと、様々な仕掛けを展開しています。しかし、それが逆に、ゲームの楽しさを奪っている、あるいは、ゲームと違うところに注目を集めるようなことにはなっていないでしょうか。
実は、妖怪ウォッチ2で特別な妖怪がもらえるしかけというのはこれだけじゃないんですね。限定特典がついた映画の前売り券は50万枚が瞬く間に売り切れ、他にもマクドナルドやTSUTAYAなどのお店のニンテンドーゾーンで配信している特典、アーケードゲームのともだちウキウキペディアをプレイすることでもらえるもの、スマートフォン向けゲーム「ワンダーフリック」をプレイすることで手に入るもの。
特典をつけるのが悪いというわけではありません。特典というのは、本来であれば嬉しいものです。本来の商品だけでなく、おまけで色々もらえる、もらったユーザーは嬉しいし、話題になって、ゲームが盛り上がって、いいことがたくさんあります。今回の妖怪ウォッチ2の特典に関しても、不満があがるのは、魅力的な特典を用意している、欲しい人がたくさんいるからこそである、ということも言えます。
でも、それが過剰になりすぎて、少し逆転現象が起きているかもしれません。おまけで貰えて嬉しい、得したはなく、本来貰えるはずのものが手に入らなくて悔しい、全部手に入れないと損した気分になる。なんだかどうにかこうにか手に入れる手段はあるみたいだけど、あまりにややこしくて良く分からない、大変すぎて疲れてしまう、そういう不満があがります。おまけに振り回されてしまうのです。
レベルファイブは妖怪ウォッチを長く楽しまれるコンテンツに育てたいとしています。しかし、瞬間的な売り上げの為に、過剰に盛り上げすぎれば、ユーザーに不満がたまり、長期的にはむしろリスクを抱えることになりかねません。素晴らしいヒットだからこそ、大事に育てて欲しいと願ってやみません。
そしてもう1つ、ゲームを買った方、これから買おうと思っている方に伝えたいことがあります。集めるのが大好き、コンプリートするのが楽しい、そういう人はいいんです。でも、あまり特典を気にするとかえって楽しめなくなってしまう人もいるでしょう。
面白いのはゲームなんです。特典はおまけです。あれも手に入れなきゃ、これも手に入れなきゃ、とやっているうちに疲れてしまうぐらいなら、いっそ、特典のことなんて忘れてしまってはいかがでしょう? 貰える貰えないでヤキモキしすぎて、肝心のゲームが楽しめなければ本末転倒です。ほどほどにして、ゲームを大事に楽しく遊ぶことをオススメしたいです。ぜひ、妖怪達と楽しい夏をすごしていただければと思います。
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