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またもオフィス視点で見る 2014宝塚記念の「3強」(3ページ目)

2013年6月の宝塚記念を「オフィス視点」で紹介してから1年。あのとき登場した個性派社員(馬)が、またも同じ舞台に帰ってきました。ということで、「オフィス視点で見る宝塚記念」の2014年版をお送りします。

河合 力

執筆者:河合 力

競馬ガイド

伝説の社員に隠れ続けた実力派
「ウインバリアシオン」

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悲願のG1タイトルを目指す、不屈のウインバリアシオン(写真 JRA)

ゴールドシップとジェンティルドンナは昨年に続く二年連続の出走。そして今年、3強のもう一頭と目されているのは、前述の2頭より1歳上のウインバリアシオンです。

例年なら同期でトップの成績なのに、よりによって、その年だけ同期に伝説的な新入社員がいたために、トップになれなかった優秀社員。それでも腐らず淡々と実績を積み重ね、評価を高めていった不屈のビジネスマン。ウインバリアシオンは、いわばそんな馬です。

ウインバリアシオンは、同世代にとんでもないライバルがいました。G1を6勝、フランスの凱旋門賞でも2着したオルフェーヴルです。

オルフェーヴルが勝った2011年のG1日本ダービーで、ウインバリアシオンは2着。同年のG1菊花賞でも同じくオルフェーヴルの2着。そして、オルフェーヴルの引退戦となった昨年12月のG1有馬記念でも2着。同世代の伝説社員に挑み続けた、「偉大なるNo.2」でした。

「オルフェーヴル君はすごいねえ。彼はこの会社の宝、将来は社長を狙えるレベルだよ」
「そうですね。ちなみに同期のウインバリアシオン君もなかなかですよ。彼も普通の年ならトップを狙える成績です」
「ああ、そうだね。彼もいいね。安定感もあるしね。……しかしそれにしても、オルフェーヴル君の能力には惚れ惚れするね」
「そう……ですね……」

もし本当にオルフェーヴルとウインバリアシオンが会社員だったら、上司はこんな会話を繰り広げていたでしょうか。

つらい経験を経て身につけたもの

そんなウインバリアシオンに、苦難が襲いました。2年前に屈腱炎という大きなけがを負ったことです。競走馬にとっては致命傷とされる病で、ウインバリアシオンは約1年半もの休養を余儀なくされました。

しかしそのつらい経験が、ウインバリアシオンには糧となったのか、復帰するとさらにパワーアップした走りを披露。まるで上司の思いつきで地方に出向しながらも、その経験を糧にパワーアップする不屈のビジネスマンのよう。逆境を乗り越えたベテラン社員には、かつてない頼もしさが備わっていました。

同世代の宿敵オルフェーヴルは昨年末に引退。一方のウインバリアシオンは、現役を続行。宝塚記念に向かいます。実はこのウインバリアシオン、オルフェーヴルがいたこともあり、実はまだG1のタイトルはなし。この宝塚記念で悲願達成を狙っています。

「オルフェーヴル君はもちろん素晴らしいけど、この世代ではウインバリアシオン君も忘れてはいけないね。彼は我が社の誇りだよ」。宝塚記念の後には、そんな声が聞こえるかもしれません。

これが2014年宝塚記念の「3強」。昨年からの1年で紆余曲折のあったゴールドシップとジェンティルドンナ、そして悲願を狙うウインバリアシオン。3頭の戦いは、どんな結末を迎えるのでしょうか。

(リンク)
JRAウェブサイト|今週の注目レース―宝塚記念
宝塚記念特集|レース特集―netkeiba.com

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