イタリア/シチリア島

大理石の噴水が飾るプレトーリア広場/パレルモ

パレルモでは珍しい後期ルネッサンス様式の美麗な大理石の巨大噴水「プレトーリアの噴水」が飾る、パレルモ市政の中心地・プレトーリア広場。

岩田 デノーラ 砂和子

執筆者:岩田 デノーラ 砂和子

イタリアガイド

フィレンツェから船移送した巨大な大理石の噴水

 
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教会やバロックの建物が囲む空間に、堂々とした「プレトーリアの噴水」が置かれたプレトーリア広場

旧市街観光の拠点、クアットロカンティから徒歩10秒?!に位置するプレトーリア広場。中央に、大理石の彫刻群で飾られた大きな「プレトーリアの噴水」が置かれています。

この噴水は、もともとフィレンツェのドン・ルイジ・ディ・トレド―が所有する庭(のちに「サン・クレメンテ宮殿」が建設され現在も健在)に設置されていたもので、同地のフランチェスコ・カミリアー二によって、1554年に設計・製作されました。

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市政の中心ながらのんびりした雰囲気

が、経済的事情およびドン・ルイジの転居に伴い、パレルモが購入。なぜ遠く離れたパレルモなのか?ドン・ルイジの親族がパレルモに常在していたシチリア王国副王を経験していたことで、当時のパレルモ上院と強いパイプがあったから、と言われています。

巨大な噴水を、644個に分割して船で移送し、パレルモに設置されたのは、1574年5月26日。移送中に破損・紛失、また不足部分もありましたが、後にフランチェスコ・カミリアーニの息子カミッロが修復を施し、現在の姿となりました。

プレトーリアには、「政務」の意味があります。この広場は、昔からパレルモ市政の中心地。今も広場に面して、パレルモ市役所が置かれています。18・19世紀の頃は、スペイン王国支配下で腐敗するパレルモ市議会を揶揄し、また裸体の彫像が並んでいることから、人々はこの広場を「Piazza della Vergogna 恥の広場」と呼んでいました。

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