競馬/一頭追っかけシリーズ

追っかけシリーズ第7回 ~ついに訪れた苦難~

サラブレッドの夢舞台、日本ダービーへの切符をかけて京都新聞杯に挑んだシャドウダンサー。運命のレースは、まさしく激戦となりました。そして、本当の勝負はこれから。シャドウダンサーにはさらなる大きな苦難が待っていたのです。

河合 力

執筆者:河合 力

競馬ガイド

夢のダービー出走は、果たして…

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ダービーへ向けて、運命の一戦に挑んだシャドウダンサー(写真は3月のレースのものです)

すべての競走馬にとっての「目標」。それが、6月1日(日)に行われたG1日本ダービー(芝2400m、東京競馬場)です。捻挫(ねんざ)から復帰し、3月のレースを快勝したシャドウダンサーは、その夢舞台への出走をかけて、5月10日(土)のG2京都新聞杯に登場しました。

ダービーに出るには、このレースで2着以上になることが最低条件。時期的にもここが文字通り「最終便」となります。大一番でシャドウダンサーに乗るのは、これまでコンビを組んできた戸崎騎手ではなく、武豊騎手。天才ジョッキーを背に、シャドウダンサーはダービー切符をつかめたのでしょうか……

と、盛り上げてはみたものの、すでにダービーが終わっているということから、大方予想はつくかもしれません。それでもまずは運命のレースを見て頂きましょう!

京都新聞杯のレース映像(シャドウダンサーは青帽の8番)

若き3歳馬たちが、最後のダービー切符を争った一戦。シャドウダンサーは先頭グループに加わるも、あと一歩届かず4着。夢舞台への出走を叶えることはできませんでした。

勝ったのは、3番人気に支持されていたハギノハイブリッド。父に2002年の日本ダービー馬タニノギムレットを持つ同馬は、デビューからコツコツ経験を積み上げてここに参戦。9戦目にしてつかんだダービー切符でした。

明暗を分けたその理由は何か

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京都新聞杯を制したハギノハイブリッド(写真 JRA)

ほんの少し遅れ気味のスタートを切ったシャドウダンサー。武豊騎手はスタート後、特にシャドウダンサーをせかさず、ゆったりと進みました。シャドウダンサー自身も、レース中は自分から積極的に前へ前へ追いぬいていこうとするのではなく、騎手の指示をジッと待つタイプ。そのため、位置取りは自然とかなり後ろになりました。競馬用語で言うところの「出たなりの競馬」です。

位置取りはかなり後ろですが、決してそれは悪いとはいえません。というのも、京都新聞杯の前半1000m通過タイムは57.7秒。このくらいの距離ですと、おおよそ1000m60秒くらいが平均的なので、前半からかなり早いペースで推移しているといえます。

こういった“ハイペース”の競馬においては、前半で無理せずじっくりと体力を温存しているグループが有利。実際、京都新聞杯のゴール前で争った上位4頭は、すべて中団から後方に位置していました。

持久力を要するごまかしの利かない展開。その中でサウンズオブアース(2着)が3コーナー過ぎから仕掛けてポジションを上げると、やや遅れてハギノハイブリッドが追い上げます。シャドウダンサーは、近くにいたガリバルディ(3着)とともに直線まで動きを見せず、ラストの追い込みにかけました。しかし、結果は先述のとおり4着。

武騎手はレース後、「どうも走りが硬く、ストライドが伸びなかった」とコメントしています。直線まで待つのではなく、もう少し早めにスパートして持久力を活かす形なら……という声もありましたが、武騎手の感じたシャドウダンサー自身のコンディションも、そのようなレース運びに影響したかもしれません。

ただ私は、今回の結果に納得しています。ダービーはそれほど難しい舞台。4着とはいえ、その出走権争いに加わっただけでも素晴らしいことだと思いました。

もっとも痛恨だったのは、4着という結果やレース運びではなく、捻挫により12月~2月の大事な時期に休養せざるを得なかったこと。それによりトップクラスと戦う機会が減り、結果的に、ダービー切符をワンチャンスに賭けるしかなくなってしまいました。

もちろんケガですから、これは仕方のないこと。逆にいえば、そういうアクシデントの中でよく頑張ってくれたと思うのです。「ナイスチャレンジ!」とシャドウダンサー
を称えたい気持ちでいっぱいです。

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