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日々の生活で考える 2014天皇賞・春(2ページ目)

5月4日(日)に行われる2014年の天皇賞・春(G1)。キズナ、ウインバリアシオン、ゴールドシップという名馬が顔をそろえる一戦は、大きな注目を集めています。そこで今回は、このレースを日々の生活の視点で、身近に考えてみます。

河合 力

執筆者:河合 力

競馬ガイド


期待を上回り続けるダービー馬
キズナ

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天皇賞・春で、ダービー以来のG1制覇を狙うキズナ(写真 JRA)

2014年の天皇賞・春において、優勝候補の筆頭とされるのがキズナ。これはもう、母親が作るカレーライスのような存在で、とにかくいつも期待の上を行くスターホースです。

母親のカレーがうまいのは分かっている。でももう何度も食べてきたから、そんなに騒ぐことはないよ……なんて思いながら、いざ食べてみると「やっぱりカレーうまいな。いや、前よりうまくなってない?」と唸ってしまう。そんな経験はないでしょうか。キズナも似ていて、走るたびに“改めて”その強さを証明しているのです。

父はディープインパクト。天才・武豊騎手が乗って、2013年の日本ダービーを制したキズナ。その後は海外のレースを勝利し、世界最高峰とされるフランスの凱旋門賞でも大健闘の4着。「強いことは分かってたけど、こんなに?」というレースぶりでした。

そして今年初戦、産経大阪杯(阪神・芝2000m)に出走したキズナ。このときもキズナは、ダービーで負かしたライバル・エピファネイアに1番人気を譲って、2番人気の評価。しかし、終わってみればキズナの独壇場。直線一気の追い込みで「やっぱり強い。というか、前より強くなってない?」という走りを見せたのです。

キズナの前走・産経大阪杯のレース映像(キズナはオレンジ帽の7番)

しかもキズナは、ここにきてさらに身体が成長しパワーアップ。今までのカレーで十分おいしかったのに、「母さん、カレーに隠し味でチョコ入れちゃった」という具合で、つまりはさらに高いレベルへと進化しているのです。

秋にはふたたび凱旋門賞を目指すキズナ。この天皇賞・春でその真価を見せてくれるでしょう。

ケガでの長期休養を跳ね返した
ウインバリアシオン

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オルフェーヴルとも凌ぎを削ってきたウインバリアシオン(写真 JRA)

2頭目に紹介する有力馬はウインバリアシオン。私たちは日々の生活の中で、たとえば急に身体を痛めてしまう……なんてケースがありますよね。あまり考えたくありませんが。こうなると、しばらくは普段通りの生活が出来なくなり、ジッとしているのもの。ですが一方で、そのケガをきっかけに、たとえば身体の姿勢に気を配ったり、行動を改めたり、結果的に健康へと近づくことも少なくないはずです。あるいは、休んだことで蓄積されていた疲れが取れて、リフレッシュできることもあるでしょう。

ウインバリアシオンという馬は、ケガにより昨年の11月末まで、約1年半もの休養を強いられました。しかし復帰後は、ケガをする前よりもさらに強いレースを見せているのです。

ウインバリアシオンのケガは、ときに競走馬を引退に追い込むことさえある「屈腱炎(くっけんえん)」という重いもの。普通に考えれば、ケガが治っても簡単には実力を取り戻せません。しかしウインバリアシオンは、ケガが治ったばかりでなく、レースぶりも以前より豪快になったのです。

ウインバリアシオンの前走・日経賞のレース映像(ウインバリアシオンは緑帽の10番)

もちろん、ケガはケガですから「プラスの休養」とはいえません。それでも、休養の中で成長が促され、体もリフレッシュできたのでしょう。そうでなければ、復帰後の強さが説明できませんから。

今回の天皇賞・春は、ウインバリアシオンにとって復帰から4戦目のレースとなります。

サボり癖を解消させるポイントとは……
ゴールドシップ

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ここにきてやる気を出すポイントが分かってきたゴールドシップ(写真 JRA)

最後に紹介するゴールドシップは、とにかくサボることで有名な競馬界の問題児。レースではなかなかやる気を出さず、騎手を困らせる馬でした。それでいてG1を4勝するのですから、恐ろしい馬です。今まで、サボりサボりのスタイルで戦ってきた珍しい馬といえましょう。

ただしこのゴールドシップにも、「やる気」を引き出すポイントがあるかもしれません。最近になって、そんな考えが生まれてきました。

たとえば家で仕事をするとき、やる気が出ないので環境を変えようとカフェに行く人もいるはず。あるいは小さい頃、家庭教師の時間は適当にやっていたけど、急に家に来る先生が変わると、やや緊張しながらキチンとやる……なんて経験はないでしょうか。私はありませんが、あくまで例として。

ゴールドシップがやる気を出すポイントも、おそらく「環境の変化」。とにかく新しいものが入ると、そのときはしっかり取り組むんです。たとえば、初めてコンビを組む騎手とレースに臨むと、きちんと指示にしたがってやる気を出す。そしてその騎手が何回も乗っていると、また悪さをするようになっていく。

前走でもゴールドシップは、初コンビとなった岩田騎手を背に、前半からやる気全開。優等生のレースを見せました。そして今回は、その岩田騎手からウィリアムズ騎手にコンビ変更。私はおそらく、今回も環境が変わったことでやる気を出すとにらんでいます。

ゴールドシップの前走・阪神大賞典のレース映像(ゴールドシップは白帽の1番)

「日々の生活」というテーマから徐々に遠のいた本記事ですが、とにかく言いたいのは、2014年の天皇賞・春を見てほしいということ。競馬の「味」が詰まった伝統の舞台で、しかもスターホースが激突する一戦。そのレースを少しでも見てもらえれば幸いです。

レースは5月4日(日)の15時40分スタート。京都競馬場での現地観戦はもちろん、NHK総合およびフジテレビ系列で中継されますので、ぜひテレビでもご覧ください。

(リンク)
キズナ|競走馬データ|netkeiba.com
ウインバリアシオン|競走馬データ|netkeiba.com
ゴールドシップ|競走馬データ|netkeiba.com
2014天皇賞・春|出走馬データ|netkeiba.com

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