男のヘアケア/抜け毛・薄毛の対策

薄毛予防だけじゃない?「IGF-1」の意外な実力

私が提唱している薄毛予防、育毛促進理論でその根幹を成す体内物質「IGF-1」。これは体内の知覚神経を刺激することで増加し、抜け毛・薄毛を改善すると何度も説明してきました。しかし、今回の記事ではIGF-1の持つ「アンチエイジング」「血圧の上昇、認知症、うつ病などの予防」といった作用にも注目します。これらの情報を通じて改めてIGF-1を理解し、抜け毛・薄毛対策を続けていきましょう。

執筆者:All About 編集部

おさらい「そもそもIGF-1とは?」

まずはIGF-1について、おさらいしておきましょう。

個人差はあるでしょうが、皆さんは思春期に背が伸び、筋肉もついて、徐々に子どもから大人へと体型が変化した経験をお持ちのはずです。その成長を支えていたのが、思春期に脳下垂体から大量に分泌される成長ホルモンです。成長ホルモンは、身体のあちこちでIGF-1をつくり、身体の成長を促しています。

イラスト

成長が毛根に作用し、毛乳頭細胞でIGF-1が大量につくられることが抜け毛・薄毛を予防する効果を生む

髪の毛も例外ではありません。成長ホルモンが毛根に作用すると、髪の毛のもとになる毛母細胞を養う毛乳頭細胞でIGF-1が大量につくられます。一方、毛母細胞にはIGF-1を受け取るアンテナのような存在・受容体が生まれます。

毛乳頭細胞で大量につくられたIGF-1が受容体に作用すると、髪の毛の成長期が延長し、一方、髪の毛が抜ける休止期が短くなります。これが、IGF-1が抜け毛・薄毛予防、育毛・発毛が促進するメカニズムなのです。

かつて、IGF-1は“成長ホルモン頼み”で増えることに期待するだけでした。しかし、今では私の研究結果から、知覚神経を刺激することでも増えることが分かっています。そして、カプサイシンとイソフラボンの同時摂取が知覚神経を効率よく刺激するので、IGF-1を増やすのに効果的であることは、これまでの記事で繰り返しご説明してきたとおりです。

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若々しいルックスを保つ上でも大切な働き

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IGF-1は薄毛予防だけでなく、若々しい印象を保つためにも大切な物質

さて、ここからはIGF-1が育毛・発毛以外でどのようなメリットをもたらすかに注目してみましょう。

若い男性の皆さんにはまだピンとこないかもしれませんが、IGF-1はアンチエイジングの一助となる物質です。

先に成長ホルモンが思春期の成長を促すと書きました。しかし思春期以降、残念ながら成長ホルモンは例外なく減少していきます。成長ホルモンにはIGF-1をつくる働きがあるので、IGF-1も思春期以降は減っていくことになります。これによって髪の毛の成長が鈍くなり、徐々に抜け毛・薄毛が起きるわけですね。

しかし、IGF-1を増やすことで抜け毛・薄毛予防、育毛・発毛が期待できるのですから、髪の毛はもちろん、身体の他の部分も成長が促されることになります。例えば、肌がきれいになること。専門的に解説すると

  • 皮膚のコラーゲン量を増やす
  • 天然の皮膚の保湿成分である、サラサラした汗を分泌する汗腺(エックリン)の機能を改善する
  • 皮膚の立体構造維持(いわゆる“ハリのあるお肌”ということですね)に効く皮脂の分泌増加
といったことが期待されます。となれば、老化を測るバロメーターになる顔の皮膚がさほどたるまず、若々しい印象をキープしやすくなるわけです。薄毛を予防でき、なおかつお肌もきれい。この状況を喜ばない男性は、極めて少ないのではないでしょうか。

次ページでは、うつ病予防について解説します。
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