ていうか最初から心配していません。というのも一週おいて10月7日、NHK-BSプレミアム7時15分から『ちりとてちん』が始まったからです。再放送は2010年に続いて二度目ですが、何度見ても楽しめます。
半年後にようやく
『ちりとてちん』のおもしろさの第一は過去と現在を結ぶつながりや伏線の多さ。代表は実家の家業が伝統若狭塗り箸であることから「塗り重ねたものだけが模様となって現れる」というメインテーマであること。
相手役である徒然亭草々(青木崇高)がちりちりパーマにちんちくりんのスーツを着ているのもちゃんと後に理由に明かされるなど、いろいろなところに伏線が散りばめられています。
一番長い伏線は、第一週に和田秀臣(川平慈英)が自分の娘と同姓同名のヒロインに出会った時に見せる微妙な表情で、この理由がわかるのは最終週、半年かかっています。
ガイドが一番好きな伏線は徒然亭小草若(茂山宗彦)が初登場時から多用する「底抜けに~」のギャグ。これは小草若が落語に開眼する演目が「はてなの茶碗」(はてなの茶碗は穴があいてないのに水が漏れる、つまり「底抜け」)であることにつながってます。
朝ドラ史上初のキャラ
そしてヒロインのキャラも特徴的です。よくいえば前向き、悪くいうと脳天気なのが朝ドラヒロインの定番ですが、和田喜代美(貫地谷しほり)は真逆、なんでも悪い方向に考える朝ドラ史上初のネガティブシンキングキャラ。この流れは『ゲゲゲの女房』布美枝(松下奈緒)の引っ込み思案を通って、『あまちゃん』の天野アキ(能年玲奈)が東京にいた時には暗かったというのにつながります。そして過去と現在を結ぶつながりや伏線の多さという点も『ちりとてちん』と『あまちゃん』は共通しています。
共通点が多い
『ちりとてちん』再放送を見ていると、さらに『あまちゃん』との共通点が多いことに気が付きます。ドラマの始まりから、『あまちゃん』が春子(小泉今日子)がアキを連れて24年ぶりに北三陸に帰ったのに対し、『ちりとてちん』は10年ぶりに一家四人が小浜に帰ってきます。『あまちゃん』は春子と夏(宮本信子)、『ちりとてちん』は父・正典(松重豊)と祖父・正太郎(米倉斉加年)にわだかまりがあります。
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