例えばヨーロッパでは、一般家庭のコンロはやっぱりガスなのでしょうか?それともIH?今回は日本であまり知られていない、ヨーロッパのキッチン事情に目を向けてみましょう!
ヨーロッパのキッチン、コンロはどうなっている?
EU諸国のうち西ヨーロッパに着目すると、例えば7年前の2003年の時点で、新しく販売されたコンロのうち、約60%が電気コンロ。実は日本よりもかなり早い段階で、一般家庭に電気コンロが普及していることが分かります。ヨーロッパ諸国の厨房電化率
出典:「家庭用クックトップレポート2006」 エレクトロラックス調べ
ひと言でヨーロッパといっても、スウェーデン・デンマークのような北欧諸国から、スペイン・ポルトガル・イタリアのような暖かい国までさまざまですが、その中でも寒い地域で、早くから電気コンロが普及しているようです。食文化の違いなど、理由は色々と考えられますが、寒い地域では気候の厳しさから、住宅の高気密・高断熱化が必要なため、キッチンでも燃焼によるガスや水蒸気の発生がなく頻繁な換気の必要がない電気機器が主流となっているのでしょう。
ただし、同じ「電気コンロ」と言っても、西ヨーロッパと日本には少し違いがあります。
ヨーロッパで普及している一般的なキッチン。
ヨーロッパの電化キッチン、その特徴は?
ヨーロッパのIHクッキングヒーターの特徴として、まず挙げられるのが「グリルがない」こと。それでは魚が焼けないから困る?と思ってしまいそうですが、実情はちょっと違うようです。実はヨーロッパの各家庭ではオーブンが日常的に使われていて、魚はオーブンで調理するのが普通。そのため、あえてIHクッキングヒーターにグリルを組み込む必要がないのです。グリルがなく、フラットなトッププレートだけが見えるヨーロッパのIHクッキングヒーターは、操作も全て上面で行います。毎日必ず使う調理機器なので、デザインや操作性がシンプルで分かりやすいものが好まれるのも特徴。結果的に、極めてシンプルで、デザイン的にも洗練されたものが多くなっています。
モジュールが規格化されて、機器の交換がしやすいキッチンが普及しているヨーロッパにおいては、家電メーカーはビルトイン機器に力を入れています。IHクッキングヒーター以外の製品では、栄養を損なわない料理ができると人気のビルトインスチームオーブンがトレンドになっているようです。
でも、私たちはグリルがないと不便じゃないの? 次ページで。