卓上織機 リジッド機
卓上織機のなかには高機の仕組みをそのまま小型化したタイプもありますが、それとは別に卓上織機独自の筬(おさ)と綜絖(そうこう)が一体化したタイプがあります。その筬(おさ)と綜絖(そうこう)を一つにまとめたタイプの織機の総称をリジッド機と言います。
そのリジッド機は仕組みの違いによってオープンリード(咲きおりほか)とクローズドリード(オリヴィエほか)に分かれます。
オープンリードの卓上織機(咲きおりほか)編
1.
オープンリードの織機(咲きおり)です。
2.
筬と綜絖を一体化した部品はこの部分でカタカナでソウコウと呼んでいます。
3.
ソウコウは薄いプラスチックの羽の集合体です。
その羽と羽との間の溝には一枚置きにボッチがあります。
4.
手前にボッチのない溝は奥側にボッチがあります。
ボッチは溝の手前と奥の交互についています。
5.
たて糸を穴に通す作業はオープンリードの織機にはありません。
まず溝にたて糸を置きます。
6.
それをボッチの下までカチッとはめ込むことで筬通し、綜絖通しが完了した状態になります。
たて糸を穴を通さずに取り外しできるのでオープンリードと言います。
7.
この画像はたて糸がセットされ、すべてのたて糸がとじた状態です。
ソウコウは逆三角のような形で、底の面を水平にするとたて糸のとじた状態になります。
※ここではわかりやすいようにたて糸の色を一本置きに変えています。
8.
ソウコウを手前に傾けます。
すると手前にボッチのある溝に通したグレーのたて糸がボッチに押され下に下がり、奥にボッチのある溝に通した紺の糸はそのままのため一本置きに開口します。
9.
逆にソウコウを奥へと傾けると、奥にボッチのある紺のたて糸が下がり、グレーの糸が上糸となります。
高機では踏み木を踏むことで開口するたて糸をオープンリードする場合はソウコウをあちらかこちらに傾けることで操作します。
10.
ソウコウを傾けて開口させたらよこ糸を入れます。
11.
ソウコウを元に戻したて糸をまっすぐにした状態で打ち込みます。
12.
次に反対側にソウコウを傾けてよこ糸を入れて打ち込みます。
13.
この繰り返しで平織りの布ができます。
他に、高機やクローズドリードタイプの開口の仕組みはこちらで紹介しています。
■平織りの開口の仕組み 高機編
■クローズドリードの卓上織機(オリヴィエほか)編