金魚/はじめての金魚の飼育

水温を管理して、白点病を効果的に予防

春は朝夕の気温差が激しいので、水槽の水温が不安定になりがち。変温動物である金魚は、調子を崩しやすい季節だ。そこでヒーターを用いて水温を一定に保つことで、春先に発症が多い白点病の予防を提案。

長谷川 秀樹

執筆者:長谷川 秀樹

熱帯魚ガイド

気温の変化が激しい春先は、水温が不安定になるため一般的な温度管理されていない金魚水槽では、病気の発生が多く見られる。

変温動物である金魚の体温は、水温が高くなれば高く、低くなれば低く、と周りの環境に左右される。ある程度の耐性はあるものの、あまり水温(体温)の変動が激しいと体調を崩してしまう。

水温の変化が白点病を招く

白点病の金魚

白点虫に寄生され、体表が白い斑点に覆われた金魚。水温が大きく変動したときに罹りやすい。

春先に多く見られる病気に白点病が挙げられ、名前のとおり体中に白い斑点が付く病気だ。この病気は、熱帯魚、金魚を問わず、最も観賞魚の罹る病気の1つで、人間で言うところの風邪のようなもの。

人間の風邪と同じく、治療は比較的簡単。しかし、余り軽視するのは問題で、伝染力が強力なので、適切な処置を施さないと水槽内の魚が全滅、ということに成りかねない(人間の風邪と同じで、初期症状で治療しておけばすぐ回復するが、悪化すれば「肺炎」にもなりかねない)。

 

実は、白い点に見えるものは、原生動物の繊毛虫に分類される

イクチオフチリウス・ムルチフィリス
(Ichthyophthirius mulutifiliis)

という小さな生物。白い点の一粒一粒が、1mmにも満たない小さな寄生虫の成虫で、これらが魚の表皮の内側に寄生した状態になる。また、この寄生虫はライフサイクルが短く、わずかな期間で数千匹の仔虫が産まれてしまうので厄介きわまりない。

病気は治療よりも予防が大切

白点病に感染しやすい状況をいくつか挙げると、
  • 低水温、特に温度の変化が激しいときに発生しやすい(春、秋)
  • 病気に感染した個体を水槽に入れてしまった
  • 水質が良くない(ろ過器の汚れ、水替え不足)
などが挙げられ、感染しやすい状況と逆の状況を整えれば、病気の発生が抑えられるという事につながる。
オートヒーター

一定の水温に保つオートヒーター。温度変化の激しい春先には、金魚の飼育にもヒーターの使用が病気の予防に有効だ。

具体的には、
  • 保温器具を使用して温度を管理する
  • 病気の個体を持ち込まない
  • 日々の管理(定期的なろ過器の掃除、水換え)をしっかりおこなう 
中でも、日々の管理が重要で、普段から水換えなどのメンテナンスをおこなっていれば、病気の発生はまず見られない。

また一般的に金魚水槽にはヒーターを使用しないが、春先の温度変化が激しい時期だけでも、ヒーターで水温を一定に保つことで病気の予防につながる。白点病以外にも転覆病の予防にも効果がある。金魚用に、熱帯魚よりも低めの水温に保つことのできるオートヒーターが販売されているので、病気の予防のために、ぜひ活用したいアイテムだ。

 


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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