ETF/東証に上場するETF(上場投資信託)の特徴

ETFで注意すべき「カイリリツ」って?

ETFには「基準価額」と「市場価格」という二つの価格が存在します。ETFへの投資では、この二つの価格の乖離に十分注意を払うことが大切です。その確認方法について知っておきましょう。

執筆者:村岡 里香

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ETFには二つの価格が存在します。一つは一般の投資信託と同様の「基準価額」、もう一つは取引時間中に市場でつくられる「市場価格」です。ETFに投資する際は、この二つの価格の乖離(かいり)に十分注意を払う必要がありますので、その確認方法についておさえておきましょう。

ETFの二つの価格、「基準価額」と「市場価格」

ETFには一日一回、取引時間終了後に算出される「基準価額」と取引時間中に刻々と動く「市場価格」の二つの価格がある

ETFには「基準価額」と「市場価格」の二つの価格がある

まずはETFの二つの価格の違いについて見ておきましょう。

ETFは投資信託の一種なので、一般の投資信託と同様、「基準価額」が存在します。これは一口あたりの資産価値をあらわすもの(10口あたり、100口当たりで計算される場合もあります)。ETFが保有している資産をその日の終値で時価評価し、配当金などの収入を加え、信託報酬などのコストを差し引いて純資産総額を出し、それをその日の口数で割ることで求められます。基準価額は一日一回、取引時間終了後に算出されます。

一般の投資信託の場合はこの基準価額で売買するわけですが、ETFは株式市場に上場している投資信託なので、取引時間中の市場の価格で売買することになります。それが「市場価格」です。市場価格はその時々の市場の売り手と買い手の需給バランスによって決まっています。

ETFの市場価格と基準価額の間には、しばしば乖離が生じます。この乖離は投資家の取引にどんな影響を与えるのでしょうか。


ETFを割高に買ってしまう、割安に売ってしまう可能性も

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たとえば基準価額に対し市場価格が高くなっている場合は、一口当たりの純資産価格より割高な価格でETFの売買が成立することになります。反対に基準価額に対し市場価格が安くなっている場合は、一口当たりの純資産価格より割安な価格で売買が成立することになります。つまり、ETFを割安に買えたり割高に売れたりすることもある一方で、割高に買ったり割安に売れてしまうこともあるのです。

よってETFを売買する前に、市場価格と基準価額の乖離の程度をしっかりと確認しておくことが重要というわけです。

次のページでETFを市場価格と基準価額の「乖離」の確認方法についてご紹介します。>>>>>

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