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新規購入が再び停止されるJPMザ・ジャパン

バズーカ砲と称される黒田新日本銀行体制による金融緩和の影響かどうかわかりませんが、JPモルガン・アセット・マネジメントが運用する「JPMザ・ジャパン」の新規申し込みが再び停止となることが決まりました。再度、信託金の引き上げがあるかわかりませんが、同運用会社にJPMザ・ジャパンに変わるファンドがないのか調べてみましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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信託金の引き上げは両刃の剣

このところ頻繁にJPモルガン・アセット・マネジメントが運用する「JPMザ・ジャ
人気ファンドが新規募集を停止

人気ファンドが新規募集を停止

パン」を取り上げているため食傷気味かもしれませんが、お付き合いいただければ幸いです。(前回の記事「好成績を続けることができるかJPMザ・ジャパン」もご参照ください)

資金流入が加速し、信託金の上限である1000億円に達したことから、3月に新規募集を停止したJPMザ・ジャパン。信託金の上限を2000億円と倍増して4月から新規募集を再開したにも関わらず、早くも2000億円に達することが予想されるため4月9日を持って新規募集を再停止します(4月5日現在、1697億円)。再開されてから、10日もかからず再停止されるのですから、投資熱を感じざるを得ません。

いえいえ、株式投資は直接、間接問わずバブルの様相を呈してきたのかもしれません。 JPMザ・ジャパンがここまで人気を博しているのは、ひとえに運用成績が良いからにほかなりません。この原稿を書いている時点での最新のマンスリーレポート、2013年2月28日基準によれば、設定来の騰落率は227.8%(-26.6%)、3年81.5%(16.7%)、1年51.9%(19.5%)、6カ月70.4%(34.9%)、3カ月47.6%(25.0%)、1カ月6.4%(3.8%)と短期から設定来まですべてベンチマークであるTOPIX(配当込み)を大きく凌駕しているのです。(括弧内の数値がベンチマークです)。

ここまでの好成績を継続してきたのは、銘柄選択眼の素晴らしさ、市場や時価総額などを問わず、中小型株へ積極的に投資を行うことにあります。反面、積極的にリスクを取った運用を行っていることから、4月1日には1日で基準価額は2896円の値下がり、下落率は7.55%にも及んだのです。

しかしながら、仮に信託金が2000億円から引き上げられ、3000億あるいは一気に5000億円に引き上げられた場合、今までと同じように中小型株を積極的に組み入れることができるか、正確にはある程度の規模で集中投資ができるかはなはだ疑問です。なぜなら、信託金が増えれば当然ながら、集中投資をした場合の1銘柄あたりに回す金額が増え、JPMザ・ジャパンの売買で株価を大きく動かしてしまうかもしれないからです。

運用会社的には、信託金を引き上げ新たな投資資金を迎え入れたいところでしょうが、方や信託金を引き上げて運用成績が維持できるのかのジレンマに陥っている気がしてなりません。

他のファンドにそろそろ目を向けるべきかもしれません

JPMザ・ジャパンの運用成績を見る限りでは、私たちの期待を裏切らないファンドと言えることから、信託金の再引き上げを願いたくなる気持ちも分からなくはないですが、そろそろJPMザ・ジャパン以外の日本株ファンドにも目を向けたほうがよい気がします。 幸いにしてJPモルガン・アセット・マネジメントには、JPMザ・ジャパンとほぼ同じような運用スタイルを取っているファンドが少なくとも2本あるのです。この原稿を書いている時点では、2本確認しています。「JFジャパン・ディスカバリー・ファンド」と「JPM・E―フロンティア・オープン」がそれです。

 

JFジャパン・ディスカバリー・ファンドですが、JPMザ・ジャパンと双子のようなファンドと形容してもよいでしょう。2月末基準のマンスリーレポートによれば、組入銘柄数は123銘柄。組入上位10銘柄はJPMザ・ジャパンと1銘柄しか違いはありません。組入比率、並びに市場規模比率などに違いはありますが、一卵性双生児といっていいファンドです。騰落率は、設定時期が異なるため設定来の比較は控えますが、3年=71.8%、1年=50.2%、6カ月=68.7%、3カ月=47.1%、1カ月=6.6%と3年を除けばJPMザ・ジャパンと遜色はないと思われます。運用管理費用などの投資コストはJPMザ・ジャパンと変わりません。

もう1本が「JPM・E-フロンティア・オープン」ですが、こちらも銘柄数は123銘柄。組入上位10銘柄のうち、JPMザ・ジャパンと異なるのはやはり1銘柄。しかし、異なる銘柄がJFジャパン・ディスカバリー・ファンドは中小型株の中での違いなのですが、このJPM・E-フロンティア・オープンは大型株が入っているのです。

4月1日にJPMザ・ジャパンの基準価額が急落したと述べましたが、JFジャパン・ディスカバリー・ファンドも基準価額は5%を超える急落をしたのですが、JPM・E-フロンティア・オープンは5%を超える急落とはなりませんでした。JPMザ・ジャパンなどと比較すると大型株のウエイトが多いのかもしれません。また、売買高比率もJPMザ・ジャパンなどより低くなっていることから、前記2ファンドに積極性もやや劣るのかもしれません。

騰落率は3年=76.1%、1年=48.9%、6カ月=67.6%、3カ月=46.6%、1カ月=7.4%と見劣りはしませんが、設定来は39.9%とJPMザ・ジャパンと運用開始時期が大きく違わないのにかなり見劣りするのは気になります。ただし、運用管理費用(信託報酬)はJPMザ・ジャパンより低くなっています。

よりJPMザ・ジャパンに近いのは「JFジャパン・ディスカバリー・ファンド」といえそうです。いずれにしても、ここで挙げた3ファンドの運用成績等は今後も注視して行きたいところです。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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