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セゾン投信の運用資産が700億円を突破

独立系投資信託会社のひとつ、セゾン投信が設定・運用する2本のファンドの合計純資産残高が、5日時点で700億円を超えました。両ファンドの設定は2007年3月。以来、73カ月連続で資金流入が続いている、日本の投資信託では稀有な存在です。

鈴木 雅光

執筆者:鈴木 雅光

投資信託ガイド

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資産流入が続いているファンドは評価できる

日本国内で設定されている多くの投資信託は、運用開始時点までにたくさんの
資金が流出するファンドには注意を

資金が流出するファンドには注意を

お金を集めますが、運用開始後、基準価額が上昇すると、徐々に解約が増え、しまいには30億円、あるいは10億円というように、非常に小さい規模に縮小してしまうケースが、大半を占めています。

次々に新しく設定されるファンドが登場し、銀行や証券会社など多くの販売金融機関は、それを販売しなければなりません。なかには、少し基準価額が値上がりして、利益が出ているファンドを解約し、新しく設定されるファンドに乗り換えさせるという営業を行っている販売金融機関もあります。そうなると、それまで運用されていたファンドからはどんどん資金が流出し、運用が困難な状況に追い込まれてしまいます。

投資信託は、恒常的に資金が流出するようになると、満足のいく運用が出来なくなります。解約資金を作るため、ファンドに組み入れられている有価証券(株式や債券のこと)を売却することに追われるからです。また、新規資金が入らなくなると、運用成績を向上させるための有価証券組み入れが出来なくなり、運用成績はじり貧になります。つまり投資信託にとって、常に資金が流入していることが、良い運用成績を実現させるための最低限の条件になるのです。

また、投資信託という金融商品は、FX(外国為替証拠金取引)などのように、短期の売買を繰り返す性質のものではありません。毎月積立で購入するにしても、一括で購入するにしても、長期で保有することが前提になります。そのためには、長期間、運用の継続性が確信できる材料が必要です。多くの投資信託に見られるように、運用開始から短期間で資金流出が始まるようなファンドは、運用の継続性が懸念されるため、買わない方が無難でしょう。

ちなみに投資信託には「繰上償還条項」という規定が設けられており、受益権の口数が一定数以下になると、繰上償還される恐れがあります。繰上償還が確定したら、その時点で、そのファンドによる運用は出来なくなります。その意味で、セゾン投信が運用する2つのファンドが、設定来、資金流入を続けているというのは、それだけで評価できますし、今後の運用の安定性にも期待できます。

ちなみに、セゾン投信が現在運用しているファンドは、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」と、「セゾン資産形成の達人ファンド」の2本です。
前者は、日本を含む世界の株式市場に50%、債券市場に50%という比率で投資するもので、それぞれのマーケットに投資する複数のファンドを組み合わせる「ファンド・オブ・ファンズ」です。いずれもインデックスタイプのファンドなので、世界中の市場の平均値を買っていくというイメージです。

これに対して後者は、株式に投資する複数のファンドで運用されますが、インデックスタイプではなく、より高いリターンの確保を目的にしたアクティブタイプのファンドが組み入れられています。いずれも「直接販売」なので、販売窓口は運用会社であるセゾン投信になります。銀行や証券会社などの販売金融機関を介さずに販売されている点も、極端な資金流出を防ぐという意味で、評価できます。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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