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防災サバイバルキャンプ「避難所体験生活」 実技編

今回は、「NPOコドモ・ワカモノまちing」によって企画・運営された1泊2日の防災サバイバルキャンプ「避難所体験生活イベント」の様子をご紹介します。また、避難所や非常時のあかりについて考えてみたいと思います。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

避難所体験生活イベント 

3331 Arts Chiyoda

写真1.会場の3331 Arts Chiyoda (旧練成中学校)

2013年3月末、1泊2日の防災サバイバルキャンプ「避難所体験生活イベント」が開催されました。場所は東京都千代田区の廃校になった中学校です。体育館に集まった参加者は家族連れや友人同士など約70名ほどでした。

防災サバイバルキャンプのプログラムは本格的で、水道の蛇口にはガムテープが巻かれ、トイレは簡易トイレにビニールをかぶせて使用します。明朝までお金は使えず、食事も決まっているため間食ももちろんできません。生活用水はグループごとに配られました。

 

全点灯した体育館

写真2.全点灯した体育館

照明についてですが、活動の中心となる体育館はメタルハライドランプの天井埋込器具が設置された一般的な設備でした。全84灯で床面750ルクス※でしたが、これでは居住用としては明るすぎます。キャンプ中は1/3を消灯した400~500ルクスを通常の状態とし、状況に応じて半分にしたり、エリアごとに消灯したりと工夫していました。※ルクス(lx):明るさを表わす単位

メタルハライドランプは、スイッチを入れてからすぐには点灯せず、完全に明るくなるまでには数分から十数分の時間を要するため(再点灯を含む)、照明の点滅は頻繁でないよう注意が必要でした。最近は体育館も即時点灯するLEDにリニューアルする例が増えています。さらに避難所としての用途も考慮するならば、まずは灯具が揺れにくいもの、次に点滅回路をなるべく細かく分けることが重要です。さらに調光可能であれば、使い勝手が向上するでしょう。

さて会場の体育館ですが、本来のスポーツ目的としては、全点灯で活気ある空間になります。ところが、この光源で間引き点灯を行った場合、人や物の判別は容易なものの、肌の色は緑がかって見え、非常に陰鬱な印象です。また場所によって明暗の差ができ、影をつくります。住むあかりとしては劣悪と言えます。しかし、たった1泊で、ましては避難時を想定すると人々がそんなことを問題にしない理由を実感することになります。
3分の1のみ点灯

写真3.照明を3分の1のみ点灯した様子


次のページでは、「懐中電灯のあかりで調理体験」についてご紹介します。

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