FX・外国為替証拠金取引/FXの口座開設・取引の仕方

FXの複数通貨ペアへの分散投資テクニック

投資をする際には、「分散投資が有効」と言われます。FXの場合、特定の通貨ペアの値動きに左右されないよう、複数の通貨ペアを組み合わせることによって、リスク分散を図るという投資法が考えられます。

内田 まさみ

執筆者:内田 まさみ

FXガイド

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FXで複数の通貨ペアに投資することのメリット・デメリット

ご存じのように、FXにはさまざまな通貨ペアがあります。皆さんは、どの通貨ペアに投資していますか?

米ドル/円、ユーロ/円を中心にして、ユーロ/米ドル、豪ドル/円、英ポンド/円あたりが、恐らく最も取引する機会の多い通貨ペアではないかと思います。

一般的に、複数の通貨ペアに分散投資する効果は、特定の通貨ペアの価格変動リスクを軽減させる点にあると言われています。もし通貨が経済のファンダメンタルズを多少なりとも反映して動くとするならば、米ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円というように、対円で複数の通貨ペアに投資しても、それなりに分散投資効果は得られるはずです。

たとえば、対円で米ドル安になったとしても、一方で豪ドル高が進んでいれば、米ドルの買いポジションに発生した為替差損を、豪ドルの買いポジションで発生した為替差益によって相殺できるというイメージです。このような戦略がうまく機能すれば、両通貨ペアの為替リスクをある程度ヘッジした形で、米ドルと豪ドルからスワップポイントが得られます。

ただ、常に都合の良いように動かないのが、為替相場です。いずれか一方の外貨が大きく売り込まれたら、為替差損が生じることに変わりはありませんし、米ドル/円、豪ドル/円というように、対円の通貨ペアはほぼ同じ値動きをする傾向が見られます。つまり、対円で米ドルが売られる時は、豪ドルも売られるというケースが多いのです。こうなると、複数の通貨ペアに投資する分散投資効果は、ほとんど期待できません。

もちろん、さまざまな通貨の値動きをチェックして、全く異なる方向で動く通貨ペアを組み合わせるという方法もありますが、それを調べるには膨大なデータ処理の作業が必要になりますし、何よりも複数の通貨ペアに投資することのデメリットが生じてきます。

短期トレード派にも使える分散投資テク

複数通貨ペアを持つと、どうしてもリスク管理が煩雑になります。特にマーケットが大きく荒れた時などは、いろいろ目配りをしているうちに、値動きに付いて行けなくなることもあります。したがって、短期トレードを中心にしている投資家にとって、複数通貨ペアへの分散投資は、ほとんど意味がないと断言しても良いでしょう。

ただ、ひとつだけ使える方法があります。

たとえばユーロ/円の通貨ペアでユーロを買っていたとします。ただ、値動きが鈍く、なかなかユーロ高が進まないとしましょう。

このような時、ユーロ/英ポンド、ユーロ/豪ドルなどの通貨ペアもチェックしてみて下さい。ユーロ/円ではほとんど値動きがないのに、ユーロ/英ポンドは大きく動いているケースがあるのです。そのような場合は、ユーロ/円のポジションはそのまま保持すると同時に、ユーロ/英ポンドのポジションを持ちます。

「ポートフォリオを組む」という考え方とはかなり異なりますが、このような通貨分散投資なら、短期トレード派でも使えると思います。

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