フィギュアスケート/印象に残っているフィギュアスケート選手

エカテリーナ・ゴルデーワ&セルゲイ・グリンコフ

素晴らしく息のあった演技で常に観客を魅了していた、エカテリーナ・ゴルデーワ&セルゲイ・グリンコフ。上質なシルクに例えられた二人の演技の魅力に迫ります。

投稿記事

ペアのスケーティングの最高峰

フィギュアスケートの美しさや、芸術性の高さを堪能させてもらったという意味で、強く印象に残っている選手が、ロシアの、エカテリーナ(カーシャ)・ゴルデーワ&セルゲイ・グリンコフのペアです。

1988年のカルガリーオリンピック、1994年のリレハンメルオリンピックのゴールドメダリストで、1986、1987、1989、1990年の世界フィギャアスケート選手権でもゴールドメダリストとなりました。

いわゆる「息が合っているペア」というのを超越した、二人の演技のシンクロ度合いは、まさに結ばれるべくして出会った二人という感じでした。

結婚したときは、公私ともに仲の良い二人なのだなと喜ばしく思っていたので、セルゲイが心筋梗塞で練習中に亡くなったというニュースを目にしたときは、ショックを受けたものでした。

素晴らしく息のあった演技で常に観客を魅了していた二人でしたが、私が特に印象に残っているのが「THE MAN I LOVE」(The World Team Challenge of 1995)の曲に合わせて滑った演目。

まったくずれることのない美しいスピン、流れるようなリフト、危なげなさなど微塵も感じさせない二人の優雅なスケーティングは、まるで上質なシルクのような滑らかさで氷上を流れていきました。

ぴったりと二人の身体が合った一体感は、まるでバレエのような、ダンスのような……そんな雰囲気を持っているのですが、セクシーというよりも上品さと優美さを兼ね備えた、完璧なまでの氷上の舞いでした。

ペアのフィギュアスケーティングの中では、この美しい二人の演技が一番印象に残っています。
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