宝塚ファン/宝塚歌劇入門編

『モン・パリ』~レビューの誕生(2ページ目)

わずか16名の少女たちから始まった劇団が、100周年を迎えた奇跡……。様々な困難に遭いながらも新しいものを求め、今に繋いだ軌跡……。そこにいつもあったたくさんの輝石……。宝塚歌劇団100年へのキセキのひとコマをご紹介いたします。Part7「『モン・パリ』~レビューの誕生」

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド


モン・パリ

モン・パリ

また、シャンソンに日本語の歌詞を付けた主題歌は大ヒット。ワクワクする歌詞、粋で覚えやすいメロディーに、宝塚ファンじゃない人々までもが口ずさむ、まさに日本の流行歌となり、花組スター・奈良美也子の歌うレコードは、10万枚売れました。1928年の第五回選抜高等学校野球大会入場行進曲にも使われるほどでした。

この『モン・パリ』の大成功より様々なレビュー劇団が生まれ、日本のレビュー黎明期が始まります。『モン・パリ』は、宝塚歌劇のみならず、日本の演劇界を変えた作品なのです。


その後も宝塚歌劇団では、『モン・パリ』の上演を記念した作品が、様々な形で上演されています。

20周年にあたる1947年に月組が『モン・パリ』を上演。
1957年には雪組が『モン・パリ<レビュー30周年記念>』を上演。
1977年には、初演時のスター・天津乙女や各組スターが総出演してのイベント『モン・パリ誕生50年祭』を上演。
1987年には60周年を記念して、花組と雪組で『ザ・レビュースコープ』を上演。
1997年に70周年を記念して、花組が『ザッツ・レビュー』を上演。
2005年に宙組が77周年を記念して『レビュー伝説』を上演。
また『モン・パリ』誕生を記念し、毎年9月1日(初演の初日)を「レビュー記念日」としています。

宝塚歌劇に、レビューという旋風を吹き込んだ『モン・パリ』~吾が巴里よ~。85年経った今でも、心地よい主題歌と共に、レビューの真髄は受け継がれています。


*1)大階段
舞台上に設置される階段。舞台奥に縦に置いてあるものが、自動制御によって前にせり出してくる。段数26段、前幅14.6m、後幅10.3m、高さ4.29m。1段の幅 24cm。フィナーレで全生徒がこの大階段を下りてきて挨拶をするのは、宝塚のシンボル。大階段の歴史は古く、手動形式で16段のものは昭和2年『モンパリ』公演より。

*2)ラインダンス
通称・ロケット。全員が一列になって足を上げて踊るダンス。日本で最初のレビューである昭和2年『モンパリ』以来、宝塚の舞台にかかせないダンス場面。初舞台では同期生全員で必ずこれを踊る。

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