世界遺産平泉への旅を誘う「ジパング編成」
東北復興への願いを込めて2012年4月から6月まで開催された観光イベント「いわてデスティネーションキャンペーン」に合わせて登場したJR東日本の新しいジョイフルトレイン「ジパング編成」。2011年に世界遺産に登録されたばかりの「平泉の文化遺産」訪問への足として、さっそく一ノ関~盛岡間で運転を開始した。車両は、中尊寺金色堂に代表される黄金文化をイメージしたきらびやかなものとなっている。どんな列車なのか、順を追って紹介していこう。ジパング編成の外観
ジパング編成は、全くの新車ではない。旧国鉄時代に活躍した交直両用特急電車485系を改造したジョイフル・トレイン(臨時列車)である。4両編成のうち、両端の2両(1号車と4号車)は、高崎(群馬県)を中心に活躍したお座敷電車「やまなみ」として使われていた車両を再改造したもので、ドーム状の屋根はその名残だ。一方、中間の2両(2号車と3号車)は、特急「つがる」などに使われていた車両を転用したもので、屋根上の冷房装置など形状はオリジナルなものを踏襲している。それゆえ、編成として眺めると、スタイルの上では統一感が取れているとはいえない。
塗装は、黒を基調としつつ、車体の上半分はグレーだ。但し、直線的な塗り分けではなく、黒と灰色の境界線は波打つように弧を描いている。水の流れ、山並みをイメージし、水墨画を思わせるデザインとなっている。その上に、沢山の金色の四角形が不規則に配置され、平泉の黄金文化を表現している。
何カ所かカタカナで描かれた「ジパング」のロゴは、金色と緑の組み合わせ。金は、もう説明を要さないだろう。一方、緑は東北の豊かな自然をイメージしたとのことだ。