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夫よりも妻の方が小遣いは多い?夫婦の小遣いの決め方(2ページ目)

4月は、昇給や昇進など、給料や生活環境の変化により、家計を見直すことが多い月です。家計を見直す際に注目されるのは小遣いではないでしょうか? 今回は、夫婦で円満に小遣いを決める考え方をお伝えします。

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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夫婦円満な、小遣いの決め方

■家計の全体像がわからなければ、
ふたりが納得できる小遣いは決まらない
夫婦で円満に小遣いを決めるには、じっくり話し合うことが大切!

夫婦で円満に小遣いを決めるには、じっくり話し合うことが大切!

共働き世帯の場合でも、片働き世帯の場合でも、家計全体の収入と支出がふたりで共有できていないと、お互いに納得できる小遣いは決まりません。片働き世帯の場合、夫から家計費をいくらか渡された妻は、渡された金額の範囲で一生懸命節約するけれども、夫にどのくらい自由に使えるお金(小遣い)があるのかわからなければ、「私は、こんなに頑張っているのに、夫はきっと好きにお金を使っているのだろう……」とつい疑ってしまいます。

また、共働き世帯の場合でも、お互いの収入を知らないまま、家計費の分担を決めたり、あるいは、最初はお互いの収入を知っていても、年を重ねるごとに収入は変化をするので、結局、互いの収入がわからなくなったまま、家計費を分担したりして、お互いがどのくらい自由に使っているのか疑心暗鬼になります。家計相談をする際に、夫婦それぞれが、どのくらい使っているかという話になると、「え、そんなに使っているの?」といった驚きの顔をお互いにするのを、しばしば目にします。

小遣いを決める前提として、夫婦で家計の全体像を把握するために、共働き世帯であれば、ふたりの収入の全額を家計に入れる「共通財布型」、片働き世帯であれば給料の全部を一旦家計に入れる「全部渡し型」の家計管理にすると良いでしょう。(参考コラム:生活費の分担、花ヨメ花ムコ修行~家計管理編(2)

■小遣いは夫も妻も決めたほうがいい?
共働き世帯の場合、お互いに家計費を出して、残りを小遣いにするのではなく、小遣いの金額をそれぞれきちんと決めた方が、貯まりやすいといえます。小遣い以外の部分は、家計費と貯蓄に限定されるからです。

片働き世帯の場合、しばしば夫の小遣いが注目されがちですが、妻の小遣いもきちんと決めた方が良いでしょう。妻の小遣い金額を決めていないと、家計費と妻が個人的に使うお金が一緒になってしまい、結果、貯金ができないということも考えられるからです。

一度、金額を決めたら、使いすぎてしまった場合でも、貯金や家計費から補填をしないようにして、なし崩し的に家計がふくらむのを防ぎます。

■小遣いは収入の割合に応じて決める?
小遣いの金額は、どのようにして決めたら良いでしょうか? 共働き世帯では、給料差を小遣いに反映しているのをよく見かけます。けれども、男性と女性を比べると、化粧品や美容室などの美容代は男性よりもかかるので、男性と同額か、あるいは、男性よりも多い金額が必要といえるでしょう。

基本的には、小遣いは夫婦同額でかまわないと思います。仮に、一方が家計費の負担が少ないと感じるのであれば、その分、家事を多く引き受けるなど、お互いに精神的に平等だと感じられるように調整すれば良いことだと思います。もちろん、同額にこだわる必要はありません。

■小遣いの範囲を明確にする
小遣いの範囲を明確にすることは大切です。小遣いは、自分の裁量で使い道を決められるもので、昼食代、趣味にかかるお金、飲み代、嗜好品代、雑誌・書籍代、美容代などが挙げられます。洋服代は家計費から出すのか、小遣いから出すのかなどを予め決めておくと、家計費から個人的な支出が出て行くのを防ぐことができます。

個人的な支出でも、例えば、資格取得や英会話などのキャリアアップ費用は、家計収入の維持・向上につながるものとして、家計費の中から出すなどの配慮が必要です。キャリアアップ費用を小遣いから出すとなると、趣味や飲み代を節約しなくてはならなくなるので、モチベーションが下がってしまいます。

■ふたり共通の小遣いを決める
ふたりの共通の趣味や一緒に外食や旅行にいく場合の費用は、しばしば、どちらが負担するか問題になります。せっかくのふたりで過ごす楽しい時間をちょっとしたお金のことでギスギスしてしまうのは、もったいないです。そこで、夫と妻のそれぞれの小遣いの他に、ふたり共通の小遣いをつくるのも良いでしょう。実際にガイド平野も結婚する前から、外食や旅行など、趣味のための小遣い(予算)を決めています。

■小遣いは、定期的な見直しを!
小遣いの金額は、家計状況によっても異なります。大切なことは、お互いが話し合って、納得して決めるということです。また、家計の収入・支出状況は、時の経過とともに変化します。また、小遣いとして必要な金額も、趣味の変化や仕事上の立場などの人間関係の変化によっても変わります。そこで、一度決めた小遣いをそのまま維持するのではなく、減らしたり、増やしたりしながら調整していく必要があります。

4月は、昇給・昇任による収入アップや子どもの進学などによる支出の増加など、家計の変化が大きい時期です。この機会に、ふたりの小遣いについて、話し合ってみてはいかがでしょうか?

【関連リンク】
夫婦のお金、花ヨメ花ムコ修行~家計管理(1)
生活費の分担、花ヨメ花ムコ修行~家計管理(2)
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