100年店ランチ/東京の100年店ランチ

吉野鮨本店(すし/日本橋/創業1879年)

屋台を中心に“江戸のファストフード”が源流の江戸前ずし。その流れを汲みながら、お江戸・日本橋で脈々と営業を続ける人気店。今回は日本橋のすし店「吉野鮨本店」をご案内します。

菅野 夕霧

執筆者:菅野 夕霧

100年店ランチガイド

日本橋高島屋の裏通り、確かな存在感「吉野鮨本店」

四枚引き戸の同店店頭

四枚引き戸の同店店頭

ご婦人方を中心に、客層の違いや“格”の違いを感じさせる日本橋高島屋。その少し南側、裏通りに江戸前ずしの名店「吉野鮨本店」が存在します。“日本橋高島屋さん真裏通り”は、箸袋などでも謳われています。駅でいうと、地下鉄日本橋駅のB1出口から1、2分、東京駅八重洲口からも10分程度の立地です。そのたたずまい、強い主張をせずとも老舗店の凛とした空気をまとっています。

入口は大きな4枚の引き戸、どこから入っていいのか躊躇してしまいそうですが、背筋を伸ばして、堂々と真ん中から入って問題ありません。ランチタイムは場所柄、高島屋での買い物を終えた方々、八重洲エリアのエリート(!?)ビジネスマン、平日昼間からお酒を飲みながらすしを楽しむ方など、さまざまですね。

創業は1879年(明治12年)

日本橋高島屋

日本橋高島屋

吉野鮨本店の創業は、1879年(明治12年)。魚河岸があった日本橋の屋台ずしがその原点です。何度か店舗の場所を移しながらも基本的には日本橋、高島屋周辺で営業を続け、現在に至っています。そんな同店創業の1879年とはどんな年だったのでしょう……。

大阪では朝日新聞が創刊、東京では日本初の損害保険会社、東京海上火災が創業。植物御苑、のちの新宿御苑の開園も同年と記録されています。また、1871年廃藩置県を実施した明治政府の政策の一環で、琉球王国から琉球藩、そして沖縄県設置へと動いたのがこの年のこと(いわゆる琉球処分)。ちなみに県庁は首里です。

大正天皇、滝廉太郎、永井荷風、サントリー創始者・鳥井信治郎らが誕生したこの年、吉野鮨本店もその歩みを始めます。

では、東京駅八重洲口からも歩ける江戸前ずしの名店へと参りましょう
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