3Dだけじゃない3DS
多様性のあるタイトル、多様性のある遊び、そういった中で3DSというハード存在感をどう作っていくかがポイントになるかもしれません。(イラスト 橋下モチチ)
そして、裸眼立体視というものがユーザーにとってあってもなくても良いぐらいの位置にある方が、おそらくはその機能は上手に活用されます。普段はオフにしておいて、ムービーは3Dで楽しもうとか、ARを使って撮影した写真を人に見せる時は3Dで見せたいとか、ある部分は3D映像を使った仕組みを上手く使ってあるけど、常に3Dスイッチをオンにする必要はないとか。裸眼立体視に初めて出会った時の驚きや楽しさがスパイスとして使えるぐらいがちょうどいい塩梅であるようにも思えます。
もっとも、スーパーマリオ 3Dランドがそうであったように、3Dをいかしてこんな面白い演出ができるのか、というゲームはこれからも色々と現れるかもしれませんし、期待もしたいところです。しかしそれは、それこそWiiにおけるWiiリモコンのようなハードの位置づけを決定付ける要素にはならないかもしれません。そしておそらく現状においては、その方が3DSにとっても良い環境を作るでしょう。
2011年苦しい前半を乗り越えて、年末商戦で躍進、2012年はコンテンツを増やし、ユーザーの層に厚みを持たせ、成熟した市場へのステップを踏んでいくことが重要になります。3DSには3D機能だけでなく加速度センサーやジャイロセンサー、ARなどのカメラを使った遊び、すれちがい通信やいつの間に通信といった通信機能、それと実はタイトルによって強力なポテンシャルを発揮する可能性のあるMiiなど、様々な機能が搭載されています。
裸眼立体視というものの位置づけをうまくコントロールしつつ、多様な機能の組合せでさらに多様な遊びをコンスタントに提案し、3Dだけじゃない3DSという存在感を作っていくことが、さらなる躍進のポイントとなっていくように思います。
【関連記事】
3DSで大事なのは通信機能かもしれない(AllAboutゲーム業界ニュース)
3DSの3Dでゲームは変わらない?(AllAboutゲーム業界ニュース)
3DSマリオと3Dアクションゲームの壁(AllAboutゲーム業界ニュース)
【関連サイト】
田下広夢の記事にはできない。(ゲーム業界ニュースガイド個人運営サイト)