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人口減少・非婚社会に個人のお金はどう備えるか

将来推計人口という統計が公表されました。50年後は65歳以上が5人に2人、人口は8674万人、現役世代は3500万人以上減少するという衝撃的な予測です。個人レベルではどう考えて備えるべきかまとめます。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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50年後日本は大変化が訪れる

1月30日、国立社会保障・人口問題研究所が「将来推計人口」を公表しました。これがなかなか衝撃的な予測ということでニュースになっています。例えば、
  • 2010年の人口1億2806万人は、50年後の2060年に8674万人まで減少(=3割以上減少)
  • 2010年のお年寄りの割合23%は、50年後の2060年に39.9%まで増える(=5人に2人の割合)
  • 2010年の現役世代は8173万人だが、50年後の2060年には4418万人に減る(=3500万人の減少)
  • 2010年の生涯未婚率9.4%は、50年後の2060年に20.1%に増加(=5人に1人は生涯未婚者)
  • 2010年の平均寿命男子79.64歳、女子86.39歳は、50年後の2060年に84.19歳、90.93歳へ伸びる
このデータは、年金制度を含む社会保障のあり方(保険料負担のあり方、給付のあり方、医療・介護の見直しなど)や、労働市場のあり方(女性の社会進出、高齢者雇用、外国労働者受け入れなど)はもちろん、未婚の問題にも活発な議論を呼びそうです。

今回はこのデータを「FP的に」考えてみたいと思います。つまり、個人の家計の経済に与える影響です。特に「老後」への備え方を世代別に考えてみます。

現在40~50歳代の世代は、どう備えるべきか

今40~50歳代とは、まだ働いているが、現役世代の真ん中より上にいる世代がということになります。この世代は年金受給開始年齢が65歳からさらに切り上がるかどうかが不透明な状態です。50歳代はセーフだと思われますが、40歳代は67歳か68歳に引き上げられることは覚悟しておいたほうがいいでしょう。また、現役世代の減少が始まったばかりであり、高齢者雇用の確保が約束できないのがこの世代の難しさです。こうした特徴を意識して、老後の備えを検討していく必要があります。

たとえ2060年の世界を見届けられなくても、日本という社会は人口減、高齢者増の方向へどんどん変化していきます。そして、社会の変化に家計が備えるチャンスは、現役世代にしか残されていません

リタイアして年金生活を迎えると「もらえる年金」「今ある財産」でやりくりするしかありません。これ以上稼ぐ選択肢はリタイア後にはありません(運用で増やすとしてもリスクを高くして財産をごっそり失うわけにはいかないので、過度な期待はできない)。

一方で年金減額や医療等の自己負担増、消費税増等の影響を受けます。つまり、手取り減少要因だけは老後にやってきます。実は老後の生活は受け身になってしまい、攻め手があまりないのです。

40~50歳代は、現役世代で今稼いでいるお金の一部を残し、将来の余裕を増やす最後のチャンスを迎えています。目の前の生活にもお金がかかる世代ですがここを乗り越えられるかどうかで老後の豊かさも大きく変化します。個人としての備えを意識してみてください。

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