過換気症候群とは
ヒトは酸素を取り込み、二酸化炭素を吐きだします
それがまた不安になって、さらに過換気状態になってしまい、過換気が過換気を起こしてしまいます。そのため、過換気症候群と呼ばれています。
過換気症候群の症状
息が苦しい感じが出て、パニックになります
- 呼吸器の症状:息苦しさ、呼吸が速くなる、呼吸を深くすると胸部に圧迫感を感じる
- 循環器の症状:胸部の圧迫感や痛みがある、脈が速くなる動悸
- 神経の症状:めまい、手足のしびれ、唇のしびれ、頭がボーッとする、死の恐怖を感じる、まれに失神、空気飢餓感
過換気症候群の原因
心理面が原因になります。- 不安、心配
- ストレス
- パニック
- 几帳面な人(予定が変わるとストレスになるから)
- 神経質の人(不安になりやすい)
- 心配性の人
- 思春期(多感な時期)
この病気で、血液検査、胸部X線などの検査では異常はありません。
過換気症候群の治療
治療は、過換気の原因を除くことです。過換気の原因を除くことは、言うは易し行うは難しかもしれませんが、自分を見つめなおし、不安になる時になぜ不安になるのかを考えます。不安になった時点で息を大きくゆっくりと吸いこみましょう。そして、大きく吐きだします。大きく吐きだすことで、不安を吐きだすような感じと思って下さい。
どうしても不安が取れない時は、抗不安薬などもあります。しかし、子どもでは、成長の過程の中、長期使用は精神発達に影響を及ぼすことがあるので、できるだけ避けたいものです。
過換気になった時の対処方法ですが、紙袋を携帯しておいてください。ビニールは息がしにくくなるので、避けてください。
過換気状態になったときには、紙袋を用意して、口と鼻に袋を当て、自分の吐いた息を吸うようにして、二酸化炭素を血液中に残すようにします。
この紙袋による治療をペーパーバック法と言います。しかし、呼吸数が多くなっている病気、心筋梗塞、慢性肺疾患、喘息発作ではかえって悪くなるので、顔色が悪くないかどうかは確認しましょう。そのため、この治療を行わないこともあります。
一番大切なのは、過換気で死ぬことはないと思い、気持ちを落ち着かせることです。
…「咳事典 咳を科学する その咳、大丈夫?危険!」を参照してください