働き過ぎ女性に警鐘! 男性化による薄毛の進行
ヒゲが生えたり、薄毛になったり、働き過ぎ女性の「男性化」が増えている!?
これらは、女性の「男性化」によるものです。女性の身体に存在する「男性ホルモン」が引き起こしています。今回は、女性の男性化が増えている原因とその対処法についてお話しいたします。
なぜ起きる? 女性の男性化
10数年前から問題視されはじめた環境ホルモンの影響で、「女性の男性化」「男性の女性化」が増えている傾向があるといわれています。女性の男性化─具体的には、次のような症状が見られます。- ヒゲが生える
- すね毛などの体毛が濃くなる
- 頭頂部、前頭部が薄くなる(=男性型脱毛症)
- 肌のキメが荒くなる、皮脂が増える
- 筋肉質になる、女性らしい身体の丸みが失われる
- 声が太くなる、ガラガラ声になる など
どうして、このような男性化現象が女性の身体に起きるのでしょうか。その原因は、女性の体内にも分泌される男性ホルモンが引き起こしているといわれています。ホルモンの分泌が正常な場合、女性ホルモンが男性ホルモンの働きを抑制していますが、ホルモンバランスが崩れることで男性ホルモンが優位に働いた場合、女性の男性化の症状がみられるようになります。
女性も体内で男性ホルモンをつくっている
そもそも、「ホルモン」って何かご存知ですか。動物の体内の器官でしか作られない物質で、血液によって運ばれて体内を循環し、決まった器官で働きます。ヒトの体内には50種類以上も存在。女性ホルモンはその中のひとつで、働きによってエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類に分かれます。エストロゲンは女性らしい体つきにする働き、プロゲステロンは妊娠を助ける働きを持ち、一般的に「女性ホルモン」とは、エストロゲンを差します。女性ホルモンは卵巣で(妊娠中は胎盤でも)つくられます。脳にある視床下部(ししょうかぶ)が脳の下にある下垂体(かすいたい)に指令を出し、分泌がはじまります。女性が一生涯でつくる女性ホルモンの量は、5mg(ティースプーン1杯)程度で、これほど微量で効果が表れる物質は他にはないだろう、といわれています。
一方、男性ホルモンは、女性の副腎や卵巣で1日に0.7mg(男性がつくる量の10分の1)がつくられます。女性ホルモンの分泌量と比較すると、男性ホルモンは圧倒的に多いのですが、分泌量が正常な場合、女性ホルモンが男性ホルモンの働きを抑制し、男性ホルモンの影響は受けません。何らかの原因で女性ホルモンの分泌が減ったり、出なくなったりすることで、女性ホルモンと男性ホルモンの量的バランスが崩れ、男性ホルモンの影響が大きくなり、女性の男性化が起きるとされています。
問題視されている環境ホルモンは、正式には「内分泌撹乱化学物質」といいます。ダイオキシンや農薬(DDTなど)、殺虫剤など70種類以上の化学物質が疑われており、それが体内に入るとホルモンの働きを阻害する性質を持っています。そのため、ホルモンの分泌量が正常でも男性ホルモン・女性ホルモンの量的バランスが崩れてしまう、というわけです。まだ明らかになっていないことが多いため、防ぎきれないのが現状です。
ショック! 男性型脱毛症で女性も薄毛に
女性の男性化の症状のひとつである、男性型脱毛症について。その原因は、男性ホルモンが酵素(5α‐リダクターゼ)と結びつくことで、ジヒドロテストステロン(DHT)に変化して、毛母細胞を攻撃して、抜け毛が増えることにあります。男性ホルモンが女性の体内で優位に働く場合、女性でも男性型脱毛症になる可能性が高いといえます。男性型脱毛症の特徴は、頭頂部や前頭部の毛髪がうぶ毛化して完全に露出してしまうというもの。女性が薄毛になるなんて、かなりショックなことですよね。
参考記事:男と女の薄毛の進み方はココが違う!
それを防ぐには、ホルモンバランスを正常に保つことが大切です。次ページでは、ホルモンバランスが崩れる原因と対処法について紹介します。
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