元に戻すのに5年
液状化被害
東日本大震災における液状化の範囲は、じつに東京ドーム900個分、4,200haにも及ぶ。世界最大の被害となった。長時間揺すられた地層は、震源地から数百キロ離れた首都圏でも埋め立て地や内陸地にも広く被害をもたらした。あらためて地盤情報の重要さを思い知らされた格好となった。
また、液状化の被害は目に見えるところだけにとどまらないようである。NHKの取材によれば、千葉県は公道(アスファルト)の下を調べながら、液状化で空洞化した地面を埋める補修を同時並行で進めているということだ。すべての作業が完了するのに「5年は要するのではないか」と関係者は話していた。
新たな問題「側方流動」
液状化被害
今回の首都圏における液状化現象では、東京湾に面する埋立地に被害が大きかったわけだが、NHKの取材では、神奈川近郊のコンビナート地帯にある護岸部で一部地面に亀裂が走っているのを発見。現地調査を実施した専門家は、側方流動につながる恐れがないかどうか調べる必要があると訴えていた。
この番組では、ある企業の敷地内調査を打診したが断られ、替わりに個人情報を出さない形で、その企業の従業員にインタビューするシーンがあった。たしかに液状化と思われる被害が敷地のなかにあり、一刻も早く会社側に対処してもらいたいと従業員同士で話し合っているということだった。
液状化の確率を事前に知る方法はないのか。次ページへ。