古民家/古民家探訪

築70年古民家のビフォーアフター[新井薬師の家](5ページ目)

再建築不可という条件をプラスにとらえて、築70年の古民家に住み続けることを選択した若夫婦と、快適な日常生活を営むための設計を託された敏腕インテリアデザイナーによる、昭和の雰囲気を残したリノベーションです。

執筆者:川畑 博哉

間口いっぱいのキッチンカウンター

 

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台所
1. 玄関の脇に控える大容量の靴箱。
2. 家族の手形がカラフルなビーズ玉を埋め込んだ玄関のタタキ。
3. 猫の部屋のカマチに置かれた神棚が家族を見守る。
4. 玄関脇の猫部屋には専用の汚物流しとキャットツリーが立つ。床はタイル、壁も汚れにくい素材が用いられた。
5. キッチンカウンターはJパネルで造られた。調理道具を吊るすキッチンポールもオリジナルデザイン。
6. リンナイのガスレンジをビルトインした調理器機まわりのシンプルなデザイン。正面はメラミン化粧板貼り仕上げ。レンジフードは富士工業社製。
7. 以前の2倍以上になったシンク。窓の隣の壁はボーダータイル仕上げ。
8. かつての台所はわずか1坪。設備も老朽化していた。


玄関の引戸を開けるとコンクリートのタタキ。一段上がって左側に回廊が続きます。右側は真ん中にキャットツリーが立つ4匹の愛猫のための部屋です。実はこのキャットツリーは、1階の日当りの邪魔をしていたみかんの木の再利用でした。そして今回最もドラスティックに変わったのはキッチンです。勝手口の壁でダイニングと隔てられ1坪しかなかったところを、壁を取り払いワンルームにしてJパネルで間口いっぱいにカウンターを付けたのです。その長さなんと5.5m。収納も増えて奥様の悩みはこれで解決されました。
昔ながらの間取りと老朽化による不具合に悩まされ、有効活用できる広いスペースがありながら手つかずのまま、ずっと我慢の日々を送っていた一家にとって「当たり前の生活ができること」が一番の望みでした。今回の関さんによる思い切ったリノベーションによって、大好きな昭和の木造住宅の記憶を楽しみつつ、現代のライフスタイルに合った快適な生活の舞台が見事に実現したのです。

◆建築データと建築家プロフィール


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