男の腕時計/腕時計ブランドの歴史

オーデマ ピゲの歴史

古くから時計に携わっていた名門一家の出身の時計師ジュール=ルイ・オーデマとエドワール=オーギュスト・ピゲが互いに協力関係を結んで誕生したオーデマ ピゲを振り返り、

執筆者:菅原 茂

オーデマ ピゲは二人の時計師に始まる

オーデマ・ピケ

ミニッツリピーターとパーペチュアルカレンダーを組み合わせた初期の代表的な複雑時計。1882年製

スイスの時計メーカーには、二人の人物の姓を組み合わせて社名やブランド名にした例がいくつか見られるが、オーデマ ピゲも代表的な一つ。1875年、ジュラ山脈のジュウ渓谷で古くから時計に携わっていた名門一家の出身の時計師ジュール=ルイ・オーデマとエドワール=オーギュスト・ピゲが互いに協力関係を結んで誕生したのが、このオーデマ ピゲである。
オーデマ・ピゲ

左/創業者ジュール=ルイ・オーデマ 右/創業者エドワール=オーギュストピゲ

二人の目標は、最高の複雑時計を作ることにあった。初期の懐中時計用ムーブメントは、そのほとんどに少なくとも一つは複雑機能が備わっていた。とりわけ高度な複雑時計技術を要するミニッツリピーター機構に至っては3分の1の製品に搭載されていたという。より複雑なクロノグラフ機構のスプリットセコンド・クロノグラフを搭載するモデルも多い。ミニッツリピーターやパーペチュアルカレンダー、クロノグラフなどを組み合わせた1882年や1892年発表の超複雑時計は、オーデマ ピゲの技術力を象徴する傑作だった。

20世紀になり、腕時計の時代に入ってからも、複雑時計のスペシャリストというオーデマ ピゲの伝統は一貫して受け継がれ、腕時計サイズに小型化された革新的なムーブメントを用いた1892年製の有名なミニッツリピーターをはじめ、ムーンフェイズ付きフルカレンダー、ジャンピングアワー、クロノグラフなどを多数製作して、高度な技術にさらに磨きをかけた。


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