株・株式投資/株式チャートの見方・株価分析の仕方

ボリュームレシオとは?

市場の過熱感を判断する指標にはいろいろとありますが、「ボリュームレシオ」というテクニカル指標があることもご存知でしょうか?今回は、「出来高」から売られ過ぎ・買われ過ぎを判断するボリュームレシオという指標について見ていきたいと思います。

西村 剛

執筆者:西村 剛

株式ガイド

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出来高とは?

本題に入る前に、ボリュームレシオの計算に用いられる「出来高」について解説したいと思います。

出来高とは、証券取引所で売買が成立した合計株式数のことを指します。
例えば、100株の売り注文に対して50株の買い注文があり、50株の売買が成立したと仮定します。この場合、その日の出来高は「50株」となります。

このように、出来高とはその日に取引された株式数の合計を指し、市場全体の出来高と個別銘柄ごとの出来高が存在します。

出来高には一般的に、株価が上昇すると増加、株価が下落すると減少という傾向があります。また、出来高の変動は株価の変動に先行するとも言われますので、出来高が増加傾向か減少傾向かをみることで株価の動きを予測することができるわけです。
そしてこの出来高の動きに注目し、それを数値化したものが今回解説する「ボリュームレシオ」となるわけです。

では、実際の計算式などを具体的に見ていきましょう。

 

ボリュームレシオの計算方法

ボリュームレシオの計算式には以下の2通りがあります。

1.ボリュームレシオ(%)={(A+B×1/2)/C}×100
2.ボリュームレシオ(%)={(A+B×1/2)/(D+B×1/2)}×100
A : n日間のうち、上昇日の出来高合計
B : n日間のうち、前日比±0の日の出来高合計
C : n日間の出来高合計
D : n日間のうち、下落日の出来高合計

ボリュームレシオを用いた一般的な分析としては、
1の場合 : 70%以上を買われ過ぎ、30%以下を売られ過ぎと判断して売買サインとする。
2の場合 : 銘柄によって異なるが、100%~150%を中立点として、70%を割ると底値圏、450%超えると高値警戒圏と判断して売買サインとする。
というものが一般的です。
 

最後に

実践的なボリュームレシオの使い方として、同じ計算日数のRSIと併用するという方法があります。この2つの指標は非常によく似たものですが、出来高を加味していないRSIと出来高を加味したボリュームレシオを併用することによって、より高い確度で相場の動きを予想することができます。

例えば、RSIの上昇に先立ってボリュームレシオが上がったら、株価も上昇すると判断できます。しかし逆に、ボリュームレシオの動きが伴わないRSIの上昇は、株価もすぐに元の水準に戻る可能性が高いと判断できます。
このようにボリュームレシオをRSIの補助的な役割として用いると、より確実な売買シグナルを期待することができるでしょう。

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