ニューヨークで活躍中の「着物スタイリスト」Hiroさんの仕事。「Verizon Wireless(アメリカで最大手の携帯電話会社)」の広告。
そこで今回は、ニューヨークで「着物スタイリスト」として活躍中のHiroさんに、フォーマルでインターナショナルな着物の魅力について、お話をお伺いしました。
Page1:「着物スタイリスト」という仕事
Page2:伝統芸能で培われた「着物文化」
Page3:世界のフォーマルウェア「KIMONO」へ
「着物スタイリスト」という仕事
ガイド松本:2008年にニューヨークへ渡り、「Kimono Hiro in NY」を設立されたそうですね。当時、「着物スタイリスト」というお仕事は、どのように受け止められましたか?
Hiroさん:
まず、着付け教室を開いたのですが、当初はニューヨークに住む日本人の人たちがほとんどでした。着付け教室を立ち上げて6ヶ月目の時に、ニューヨークタイムズから取材を受け、記事が掲載され、現地アメリカの人たちも着付け教室に通い始めてくださいました。
「着付け&着物レンタル」を利用するニューヨークの女性
洋服はひとりで着ることができますので、一緒に仕事をしたアメリカ人の多くは、「着付師」という着物ならではの確立した専門職があることを、イメージするのは難しかったようです。
ガイド松本:
着付けによって完成する着物は、特殊な服飾文化かもしれませんね。平面的な着物が、着付けによって身体を装飾する……。はじめて着物を着付けを体験したニューヨークのお客様は、どのような反応をなさいましたか?
平面的な着物が立体的になり、帯結びによって自分だけの着姿になる。
皆様、どのように平面的な着物が着付けにより立体的になるか、また一本の長い帯から様々な帯結びを作り出せるのかを疑問に思うようです。帯結びを美術館での着物ワークショップで披露したことがありますが、無限の可能性を秘めているような、その創作性豊かな帯の存在に驚いていました。
着るのに困難でジッパーもボタンも無く、不親切な衣類ですが、それだけに自分だけの着こなしの可能性を秘めていることが面白いようです。私もその秘めた可能性から最高のオートクチュールであるかのような着物の魅力を感じております。
引き続き、Hiroさんのバックグラウンドである歌舞伎や能についてお話をお伺いします!