アレルギー/家庭でできるアレルギー対策

ダニ・カビアレルギーの環境整備

家でできること、自分でできる対策を紹介します。特に、ダニやカビなどがアレルギーを起こしている場合の予防、対策について説明しますので、ぜひ参考にしてください。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

環境対策

我々の周りにはアレルゲンがいっぱいあります
環境因子に原因があれば、環境整備が大切です。特に、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息と多岐にわたる原因になる、ダニ、ホコリ、カビを除いたり、減らすことが重要です。

■ダニ・カビ対策
ダニは、ホコリや食べ物の残りカス、ペットやヒトの垢や髪の毛を餌にしています。ダニの餌を除くことが重要です。
  • ダイニングやリビングなどヒトやペットがよく居る所を掃除しましょう。1m2あたり1回20秒の時間をかけ、それを2回行うと完璧。
  • じゅうたんなどは特に念入りに掃除をし、できれば、じゅうたんはやめて、フローリングにすることも大切
  • ヒトの垢や髪の毛のつきやすい布団も掃除します
  • エアコンのフィルターにはホコリがつきますので、掃除が大切です
  • カーテンにも意外とホコリはつきますので、はたいてから掃除機をかけましょう
  • 天日干しや布団乾燥機などで、畳・じゅうたん・寝具から湿気を追い出す
  • 防ダニ布団の使用、ダニを通さないシーツを使用する
  • ソファは布製でなく、皮製、合成皮革にする
  • ぬいぐるもは処分する方がいいが、大事にしているものなら、洗ったりする
  • 家具は減らしたり、扉をつけて、ホコリがたまらないようにする


特に、ダニ、ホコリを吸ってくれる掃除機では、紙パック式とサイクロン式と一長一短について、「天敵のダニ一掃! 頼れる掃除機の選び方」で紹介しています。
最新クリーナーでアレルゲンを減らす!」でもサイクロン式を使ってみた感想を紹介しています。

空気中のダニ、ホコリ、カビ、ペットやヒトの垢や髪の毛を除くには、空気清浄機が効果的です。様々な空気清浄機が出ていますので、その選び方を「花粉も黄砂もまとめて解決! 空気清浄機」で紹介しています。

ダニ・カビの住みやすい環境をブロックするためには
ダニが好む環境は、室温20~25℃程度 湿度70%以上! カビは温度5~35℃の中で、特に20~25℃、湿度65%以上を好みます。そのため
  • 除湿機を使用する
  • 晴れた日には家の換気をしておく
  • 防ダニ剤や防カビ剤を使用する
  • 押入れにはスノコを使ったり、除湿剤を使う
  • 洗濯機には専用の洗浄剤を使用する

ことで、ダニやカビを減らしましょう。

特に除湿機の選び方はダニやカビの季節! 除湿機で抑えようで紹介しています。
 
特に、雨の多い日には、ダニ、ホコリ、カビが原因になることが多いので、その対策をしましょう。

(参考「梅雨に向けてのダニ対策」・「梅雨に向けてのカビ対策」・「梅雨でもアトピーを吹き飛ばそう!」・「梅雨のジメジメ……アレルギーでも快適に!」・「雨が降るとアレルギーはどうなる?」)

■季節で悪化するアレルギー…原因は花粉、黄砂!
アレルゲン(この場合は花粉)を減らすこと、スギ花粉が体に入るのを防ぐことが環境整備で大切です。

身近で花粉を減らすには、
  • まずは、外出を避ける
  • 花粉の多い日にはできれば屋内に居る
  • 外出時にはマスクと眼鏡をしましょう
  • 可能な花粉の少ない沖縄や北海道への避難することもいいかもしれません


(参考「早めに対策! 2008年・花粉飛散予想」・「ツライ花粉症に……お助けグッズ BEST5!」)

屋内の花粉を減らすには
  • 窓などを閉めたり、換気時には風の強い日は止めたり、カーテンをしたままにします
  • 花粉の多い時にはふとんを干さない(ふとんを干した時は、十分たたいて、花粉を落とす。掃除機をかける)
  • 手洗い、洗顔は大切で、目の症状には洗眼、鼻の症状なら鼻を洗うのも1つの方法です


(参考「アトピー発症時期に花粉が多いと…?!」

さらに花粉を減らすには、空気清浄機、掃除機なども有効です。
(参考「最新クリーナーでアレルゲンを減らす!」・「花粉も黄砂もまとめて解決! 空気清浄機」)

衣服につく花粉にも注意
花粉をつけないように表面がスベスベのものや、外から帰るときには家に入るまで服をはたたり、洗濯物に花粉をつけない部屋干しも1つの方法!

(参考「早めに対策! 2008年・花粉飛散予想」・「洗濯物に花粉をつけない方法」)

■花粉の時期に飛ぶ黄砂にも注意。
黄砂とは、主として中国の乾燥地帯(ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠など)や黄土地帯で強風(偏西風)により吹き上げられた多量の砂塵が上空の風に運ばれて、日本で降下する現象をいいます。一般的には、春季(3月~5月)に多く見られ、濃度が濃い場合は、空が黄褐色となることがあります。化学組成的には CaCO3(炭酸カルシウム)が10%以上。このCaCO3(炭酸カルシウム)はアルカリ性で、酸性雨の中和効果があるともいわれています。

黄砂の粒子は直径0.1mm以下の細かい土の砂粒ですから、気道や目や鼻を刺激すると喘息や花粉症の悪化因子になります。

対策としては

  • 花粉情報のように、黄砂情報に注意する
  • 黄砂の多い日には外出を避けたり、洗濯物を屋外で出さない
  • 外出時には、眼鏡とマスクをする。特にマスクは気密性の良い物を選ぶ
  • 黄砂の多い日は、窓を開けないようにする
  • 屋内に入ってくる黄砂は掃除機で除く
  • 家に入るときには、衣服を掃って入る
  • 洗顔、手洗いをしましょう


(参考「黄砂が飛ぶと、アレルギーが悪化!?・「咳・鼻水・湿疹……早めの黄砂対策!」)

屋内の侵入する黄砂を除くためには掃除機と空気清浄機は役に立ちます。

(参考「最新クリーナーでアレルゲンを減らす!」・「花粉も黄砂もまとめて解決! 空気清浄機」)

■タバコ対策
タバコは、アトピーに悪影響を及ぼします。タバコは、アトピーの指標でもあるIgEをタバコは上昇させるという報告があります。タバコを吸うと、IgEが上昇するので、タバコはアトピーの原因・悪化因子になりうるのです。タバコの煙にはニコチンなど4500種類以上の化学物質が含まれており、その化学物質が皮膚への影響もあると言われています。
タバコを吸うと、喘息発作を引き起こします。喘息には、花火やタバコの煙はよくありません。
親のタバコで子供が喘息になりやすいと報告されています。妊娠中の喫煙も、胎児の肺の発達に悪影響を及ぼします。妊婦の喫煙は、早産、低出生体重児の原因にもなります。

タバコを吸わないのが大切ですが、吸っている人はこれを機にぜひ禁煙しましょう。言うは安し行なうは難しといいますから、まずは禁煙プログラムに従って、禁煙を行うのがいいでしょう。禁煙補助薬(ニコチンガムやニコチン経皮吸収剤)と心理的な依存をカウンセリングなどと共に計画的に禁煙していくことをお勧めします。というのも、無理な禁煙は、喫煙者にとってストレスになります。ストレスは、アトピーを悪化させますので、できるだけ、ストレスのかからないように禁煙したいものです。

(参考「アトピーにも一利なし? 禁煙のススメ」)

次に、症状を和らげるには
   ⇒症状を和らげる方法(食事編)  >>
   ⇒症状を和らげる方法(ストレス編)  >>
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