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「ドクターショッピング」をする前に

「後医は名医」と言われますが、アトピー・アレルギーに限らず、後から診た医師の方が治療上有利になることがあります。アレルギー治療の場合の、医療機関への上手なかかり方を説明しましょう。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

「後医(こうい)は名医(めいい)」という言葉をご存じでしょうか? 後から診察した医師の方が有利であるということです。

今回は、後から診察する医師が有利といわれる理由と、病院を転々とするドクターショッピングを起こしがちなアレルギー治療の注意点について、ご紹介します。

後医の診断は間違えにくい?

最初に診察時に、患者さんは様々な問診・診察を受けます
アレルギーの病気は、最初は、咳、鼻づまり、鼻水のような「風邪かな?」といった症状から表れることが多いようです。

症状の出始めに医療機関を受診すると、最初は「風邪ですね」と言われてしまうかもしれません。ところが、風邪薬を1週間飲んでも、全くよくならない場合、別の医療機関を受診する人が多いと思います。

その時点では、最初の症状が2週間以上続いているので、「風邪にしては長いので、アレルギーの可能性がありますね。検査しましょう」という話になりやすいのです。

病気を診断するには、症状も大切ですが、経過観察で分かることがたくさんあります。

  • いつから症状がでているのか

  • 症状はだんだんひどくなっているのか

  • 症状は、少しは軽くなっているのか

といった時間の流れに沿った症状の変化も大切です。

その症状の流れが見ることができるのは、後から診た医師になるわけです。「後医が名医」といわれる大きな理由だと考えられます。

アトピーの場合も、最初「ただの湿疹です」と言われて、塗り薬を塗っていたのによくならず、別の医療機関に行くと、「これはアトピーです」と言われてしまうケースがあるようです。

正確な診断には、診療のタイミングが重要ですので、時間の経過によって、どのように変化し、変化しないのかを、まずしっかりと把握しておきましょう。


治療するときも後ほど有利?

診察と同じことが、治療についても言えます。症状がなかなか取れないので、別の医療機関に行くと、「前の医師の薬を飲んでもよくなりません」という話になります。

前の医師で使われている薬は効かない訳ですから、「では別の薬を出します。」と言われます。後から診療した医師には、最初の時点で「効かない薬」だけははっきり分かっているので、別の薬を使うことで、より効果的な治療できるわけです。

少し、論理的になってきて、難しいかもしれませんが、後医が名医といわれるのは、「後出しジャンケン」のような要素が深いかもしれません。なかなか症状が改善されない分、アレルギーやアトピーがある時には、複数の医師を転々とする「ドクターショッピング」を行う人も少なくないようです。

次のページでは、ドクター・ショッピングについて説明します。
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