肝臓・すい臓・胆のうの病気/C型肝炎

薬害訴訟ニュースで聞く「C型肝炎」って?(2ページ目)

薬害訴訟のニュースなどで、「C型肝炎」という病名を聞いたことがあるかと思います。日常的な生活では感染しませんが、無症状なので血液検査以外では発見ができない感染症です。詳しくご紹介しましょう。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

抗体陽性と言われても慌てずに

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長時間作用型インターフェロンとリバビリンの組み合わせには、ある程度効果があります。
検査の結果、もしC型肝炎ウイルスに感染しているとわかったとしても、大慌てする必要はありません。抗ウイルス作用があるインターフェロンは開発された当初は毎日点滴で使用しないといけなかったためにC型肝炎の治療には入院が必須でした。

しかし現在は長時間作用するように剤型を調整したインターフェロンが臨床応用できるので、入院しなくても外来通院で治療が可能です。この長時間作用するインターフェロンと抗ウイルス剤のリバビリンの併用が、一定の効果をあげています。


C型肝炎の人は禁酒を!

アルコールは肝臓に悪い。肝臓が悪いのは飲み過ぎのため? という俗説があります。C型肝炎を検査できるようになって判明した事は、C型肝炎の人が飲酒するとC型肝炎の進行が早くなってしまうという事です。これを端から見ていると、飲み過ぎで肝臓を壊したように見えたのです。C型肝炎と言われたら絶対に断酒しなくてはいけません。


現代に蘇る瀉血療法は有効?

瀉血は"しゃけつ"と読みます。欧州で中世から行われていた、患者から血を抜く医療行為です。近代医学では従来は体に余分な鉄が溜まってしまう一部の疾患で実施されていました。

C型肝炎自体は体に鉄が溜まる病気ではありませんが、瀉血して体から鉄の量を減らすと慢性肝炎の進行が遅くなることが発見されました。現代に瀉血療法が蘇ったことになります。医学的な裏づけのもとで、しっかりと治療していきましょう。

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