根本原因は伝達ミス
 |
| 担当者の伝達ミスが根本原因 |
端末認証管理サーバーを導入した時に、初期設定の3年後のまま有効期限を放置しましたが、当初は暗号化認証機能を使わないとのことでしたので、これは仕方がありません。
問題は暗号化認証機能を使うと判断した2007年9月の対応です。全日空によると端末認証管理サーバーの担当者と端末設計の担当者は2007年9月時点で有効期限が1年しかないと認識していました。両者の打ち合わせ書類に、この有効期限の話題が出ているようです。
問題はここからで、端末設計の担当者は端末認証管理サーバーの担当者が更新するだろうと思い込んでいました。ちゃんと伝わっていなかったのですね。
「伝えた」つもり、「確認した」つもりになっていないか要チェックです。伝達という言葉がありますが、「伝える」ことと「達する」こととは違います。仕事の報告をするのに、上司の机の上に報告書を置いて「伝えた」と思っていませんか。
部下に仕事の指示を出す時も同じです。メールで送るだけでなく、面と向かって伝わったかどうか質問し確認することが必要です。これで「達した」ことになります。
今回のケースでは、お互いに認識はしていましたが、確認はせず、結果として伝達できませんでした。全日空からも「きわめて初歩的なミス」と発表されています。
再発を防止するには
全日空から再発防止とシステム開発のプロセス改善の対策が発表されています。
・他に、端末管理システムの暗号化認証機能を利用したシステムが無いことを確認(実施済み)
・端末管理システムの暗号化認証機能の有効期限延長(実施済み)
・システムにおける機能の有効期限について点検
・システム開発プロセスにおける標準化の推進
・社外第三者によるシステム開発プロセスの審査体制を確立
今回のシステム障害はシステムのバグではありませんでした。有効期限切れのチェックさえ行っていれば防げたシステム障害でした。ただウイルス対策ソフトのように期限切れが近づくと警告してくれるような代物ではないので、しっかり管理しないと、なかなか気がつきません。
対策に「システム開発プロセスにおける標準化の推進」がありますが、「機能の有効期限切れの確認」が新しくチェックシートに加わっているはずです。製造業だけでなくシステム開発でも開発プロセスの「見える化」を行い、品質を工程で作りこんでいく仕組みが必要です。
全日空では2007年5月27日にシステム障害を起こしました。この時は130便が欠航、306便に1時間以上の遅れが出て、約7万9300人に影響を与えました。
→
全日空 予約・発券システムでトラブル発生
この時の再発防止策で、今回と同じ「システム開発プロセスにおける標準化の推進」があり取り組んでいましたが、2007年9月の「スキップサービス」導入ではいかされませんでした。
欠航などによるお客さんへの費用負担は約2億円になり、有効期限切れという伝達ミスが高くついてしまいました。