OKWave兼元社長＜後編＞ホームレス生活

▲66年愛知県生まれ。89年愛知県立大学美術学部デザイン専攻卒業。同年デザイン事務所に入社。92年建設塗料会社に転職。96年単身上京。ホームレス生活をしながら、ウェブデザインを手掛ける。99年有限会社オーケイウェブ（現株式会社オウケイウェイヴ）設立、Ｑ＆Ａサイト『ＯＫＷｅｖｅ』を立ち上げる。2006年６月名古屋証券取引所セントレックスに上場。

デザイナーから身を起こし、「ＯＫＷａｖｅ」を国内最大級のＱ＆Ａサイトに育てたオウケイウェイヴ兼元謙任（かねもと・かねとう）社長のキャリアを全２回に渡って取り上げます。後編は、上京からホームレス生活、そして会社設立までの道のりを追います。


Contents
1.失意の上京
2.掲示板で叩かれる
3.400ページを48時間で納品
4.内省の日々
5.ついに決意
前編オウケイウェイヴ兼元社長のライフマップ＜前編＞
番外編OKWave兼元社長のオリジナル手帳

失意の上京

デザイングループの仲間と決別し、妻からも離縁を迫られた兼元さんは、失意のまま東京行きの深夜バスに乗り込んだ。持ち物はノートパソコン１台と数千円のみ。頼りにしていたのは、デザイングループの活動で知り合った在京の起業家だった。彼は再三「東京に来ればもっと仕事がある」と誘ってくれた。

ところが彼を訪ねると「何しに来たの？」と冷たい態度を取られた。まさか本当に兼元さんが来るとは思わなかったのだ。名古屋でのショッキングな出来事に続き、兼元さんはさらに落胆する。

「やることなすこと全部ダメ。人と会うことすら嫌になり、公園で１人でいるのが、一番居心地がよくなりました」

最初は人を頼って泊めてもらったが、長く居座るわけにもいかず、ついに兼元さんは公園で寝泊りするホームレス生活を選択する。