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試して合点!使って納得!シリーズ第2弾! 鋳物ホーロー鍋が大ブレーク

2004年のキッチングッズは、ここ数年人気が高まってきた鋳物ホーロー鍋が大ブレークします!!素敵なカラーとフォルムが、あなたのキッチンインテリアの名わき役として活躍してくれます。

執筆者:黒田 秀雄

 
今年は、鋳物ホーロー鍋が大ブレーク!!
 

ここ数年、ステンレス製の鍋が人気を博してきた。その背景にはプロの厨房では今も圧倒的に支持され利用されているアルミ鍋が、「アルツハイマー病の原因か?」と報道した毎日新聞(96.3.15朝刊)の記事以来、一般消費者の不安をあおったことにある。必ずしもその因果関係が実証された訳ではなく、アルミ鍋の業界では因果関係には根拠がないと反論している。
こんなこともあって最近流行のオープンキッチンのレストランでは、ユーザーの目を気にしてか、アルミ鍋を使わない店が多いのも事実である。

ところが、昨年あたりからこのステンレス鍋の人気にも少し変化がみられるようになってきた。アルミ鍋にくらべるとやはり高価な点と、ステンレスという金属独特の冷たさに対する抵抗がそこに見られる。また、アルミ鍋の熱伝導率の高さや軽く扱い易い特徴は、ステンレス鍋の場合は保温性という点で何層にも重ねる必要が生じ、重くて扱いづらいという不満も多くなってきた。


そこに登場してきたのが、昔懐かしい鋳物琺瑯のカラフルな鍋。新登場というよりも、再登場といったほうが良いかも知れないが、伝統的で本格派の鍋が復活し始めた。
上の5点の鍋は、我が家で活躍中の鋳物鍋。
左の2点がルクルーゼの#22と#18のココット。中央奥がBricoのオーバルパン、手前がDivaの#22ココット・ロンド。右の鋳物鍋だけがホーローのかかっていないLodgeのアウトドア用鋳物鍋「ダッチオーブン」・・・いわゆる男の鍋。
どれもとても重い。一番軽い左から2番目のココットロンド#18が約2.6kg、一番右のダッチオーブン#12は7Kgある。

丁度インターネットが本格普及しネットショップが充実しはじめた時期と、イタリアを源に大きなムーブメントをおこし始めたスローフード運動に合わせて、鋳物ホーロー鍋の持つ優しさ、保温力、使い込む程に味わいの出る道具本来の持つ意味性を改めて認識し始めたのがその理由。
IHクッキングヒーターという最先端技術を駆使した調理機器に、最適な鍋と認識されてきたことももう一つの大きな理由といえる。電磁誘導加熱方式に鋳鉄の特性が100%近いパワーを発揮できること、重量のある鍋なので横滑りしやすいフラットなガラストップ面でも安定して調理作業ができることがその理由である。


この新しい流れに先鞭をつけたのが、「ルクルーゼ」。
えもゆわれぬ暖かい造形と色使い、持ち上げて実感できる重量感が与える安心感と本物を持つことの満足感・・・そこはかと匂う昔の台所イメージ・・・等々、これらは同じように金属の鍋でありながら、戸惑いを感じながら使ってきたステンレスやアルミの鍋にくらべると料理の楽しさを演出してくれる大切な調理道具として、システムキッチンが浸透したキッチン空間で、またたく間に人気を得た。
鉄やコークス等の鋳鉄原材料の産地北フランスで鋳物ホーローが製造されるようになり、この地で1925年に創業したルクルーゼ社は、世界でもトップクラスの品質を誇る鋳物琺瑯ウェアメーカー。
ちなみに鋳物琺瑯のキッチンシンクで有名なアメリカKohler社は1873年創業で、鋳物ホーローのバスタブを創ったのは1883年という。 
ルクルーゼの鋳物琺瑯鍋が愛される大きな理由の一つがその色使いの美しさと言える。
微妙なグラディエーションで変化する色は、キッチングッズというよりもインテリアグッズとしての存在感すらある。蓋のつまみは、耐熱プラスティックで取説には230度までのオーブンに使えるとあるが、そのままオーブンで使うのは遠慮しておいた方が良いと思う。
我が家のルクルーゼは#22と#18のココットロンドと呼ばれる一番使いやすい形とサイズのもの。左の#22は使い始めてもう2年以上経過したもの、右の#18は昨年購入してまだ1年も経っていない。
豆類、魚介類、肉類等アクの出やすい食材を煮込み料理に使うことが多く、どうしても最初の頃の光沢のあるクリーミーホワイト色にはシミが残ってくるが、これも使い込んだ味わいと納得するべき道具なのかも。どうしても気になる場合は、シミがついたなと思ったらすぐにクリーム洗剤とスポンジでていねいにこすれば、あらかたは取ることができる。お酢で取れるという話もあるが、実際はほとんど無理。


左は#22サイズ、容量は3.4リットル、実寸227mmφ、ハンドルを含む幅寸法295mm、鍋本体の高さ100mm、鋳物ホーローの肉厚約4mm、鍋本体重量2.6Kg・蓋を含んだ合計重量3.8Kg。
右は#18サイズ、容量は1.9リットル、実寸188mmφ、ハンドルを含む幅寸法248mm、鍋本体の高さ88mm、鋳物ホーローの肉厚約4mm、鍋本体重量1.8Kg・蓋を含んだ合計重量2.6Kg。
 

ココットの価格は、#16/10000円、#18/15000円、#20/17000円、#22/22000円、#24/24000円、#26/28000円が定価となっているが、キッチングッズのオンラインショップではかなりの値引きがされているサイトもある。正規代理店からのものと並行輸入品とがあり、日本向けの正規輸入品では錆やすい鍋の端面に錆び止め加工がされているそうである。ただ見掛けだけでは判別できない。
 

ルクルーゼの商品バリエーションはとても豊富で、日本に正規輸入されていないデザインのユニークなものものも数多い。興味ある方は厨房の家などをのぞいてみるのも面白い。
鋳物琺瑯鍋には、ココット・ロンドという名前が良く使われている。
フランス語の辞書を調べると、cocotteは[シチュー鍋]の意味。俗語として[馬]や[可愛い娘]という意味もある。またrondは英語のroundと同意で[円形]。
ココットロンドは、すなわち[丸いシチュー鍋]の意。


ルクルーゼを使った料理には、スタイリッシュレシピの、「ハーブ&レモンの牛肉白ワイン煮」や、ホームメイドクッキングレシピの、「鶏とビーンズの煮込み」などがある。
また、住宅・インテリア>雑貨のサイトには、「フランスのお鍋『ル・クルーゼ』」の記事がある。
 
 
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