そば/そば関連情報

江戸時代からの伝統的な種物、いま食べてもやはり旨い 冬の旨さ:あられそば

二八そばが、にはちが十六文だったころからある温かい種物。寒~い冬に、心まであたたかくなる滋味豊かな一杯。

執筆者:井上 明

西高東低の気圧配置が険しくなって、江戸府内に居ても立ってもいられないような寒風が、ぴゅーぴゅーと吹き荒れる日。さしてフトコロは暖かくないが、でもほっと一息つけるような温もりと旨いモノに出会いたい、そんなシチュエーションに最適な、一杯。

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江戸まいと言っても、浅蜊や蛤とはちがって、外道として取り扱われた青柳。ここではとても書けない名前のほうが広く知られていますが、小柱とは要するにそういった「産業廃棄物」のそのまた廃棄部分(貝柱)なのでした。

江戸のぶっかけ、お上品とはいえませんが、そりゃーもう、旨いモノだったのでございましょう。
守貞謾稿(もりさだまんこう)という江戸末期の書物には、その当時の蕎麦屋の品がきが記録されていて、二八そばが16文、あられは、しっぽく・はなまきとともに24文となっています。今の価値に換算すると、せいろが600円、あられが900円といった感覚でしょうか。

【作り方】

□かけそばを仕立てる
□1/4にカットした浅草海苔をそばの上にのせる
□海苔の上に、0.5%程度の塩水で軽く洗った小柱(青柳の貝柱)をのせる
□青みは切り三つ葉など、吸い口に柚子をあしらうと上品

もちろん、手打ち蕎麦でなくてもオッケーです。寒い冬の日のごちそうとして、気軽にお楽しみください。

#守貞謾稿の画像は近日中に別の記事で公開します。お楽しみに
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