ニンテンドーDS・3DS/ニンテンドーDS・3DS関連情報

3分でわかる任天堂DSとPSPの違い(2ページ目)

携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」の発売から10ヶ月。斬新すぎるソフトが早くも充実し、夏期商戦ではライバル機とされる「PSP」を大きくリード! いまだからこそ見えてくる、大ヒットの理由を教えます。

執筆者:川島 圭太

それは「確かな」需要か、「新たな」需要か

まずは、PSPの“わかりやすい”商品コンセプトを図式化してみました。


「プレイステーション・ポータブル(PSP)」
PSPは、ゲームやインターネットブラウザ、オーディオプレーヤーといった、携帯したいと思わせるさまざまなエンターテインメントを詰め込んだ夢のマシン、と言えます。この点、PSPのセールスポイントは消費者にすぐさま伝わりやすく、ハードだけでも欲しいと思わずにはいられない、いかにもソニーのゲーム機らしい商品性を有しています。

しかし、それぞれのエンターテインメントはあくまでも“既存”のもの(だからこそ、消費者にも“わかりやすい”)ゆえに、PSPだからこそ初めて実現した新たな遊びなり、発明なりをユーザーに提案しているわけではない、とも言えます。

実際、PSP向けに発売されるゲームソフトは、家庭用ゲーム機向けソフトの移植やリメイクものが多数を占めています。もちろん、そういったソフトを携帯ゲーム機で遊べるのは非常に嬉しいことですし、確かな需要が存在します。しかし、PSP以外のゲーム機では決して実現しないような画期的なソフトは、なかなか登場してくれません。

「音楽・映像」はあくまでも“オマケ”!

これに対し、ニンテンドーDSの商品コンセプトはまったく対照的です。図式化してみると……


「ニンテンドーDS」
ニンテンドーDSは、ゲームで遊ぶことを主たる目的としたマシンです。ニンテンドーDSで音楽や映像を楽しむには、周辺機器を別途購入する必要があります(それゆえ、本体の価格を抑えることができたわけですが)。しかし、もしもニンテンドーDSが単なる「ゲーム専門」のマシンに過ぎなかったとしたら、前のページで説明したほどの大ヒットを記録することはなかったはず。

ニンテンドーDSは、タッチスクリーンや2画面、音声認識といった、ゲーム機としては前代未聞の機能の組み合わせにより、まさに“既存”のハードでは決して実現できない“異質”のエンターテインメントをユーザーに提案しています。「ゲームボーイDS」などと命名したほうが、ブランド的にも営業的にもメリットが大きいかもしれない、そのことを十分承知のうえで、「ニンテンドーDSはゲームボーイアドバンスの後継機ではない」と任天堂が断言する所以です。

左写真/「PLAY-YAN micro」 →紹介記事
右写真/「PLAY-YAN micro」を装着したゲームボーイミクロ。ニンテンドーDSにも装着可能。

「コミュニケーション」を重視する任天堂

タッチスクリーンと音声認識機能による、子犬たちとのかつてないリアルなコミュニケーションを実現した『ニンテンドッグス』。タッチパネルに絵や文字を描いて、ワイヤレスでつながったニンテンドーDSユーザーとのコミュニケーションを楽しめる『ピクトチャット』。さらに近い将来には、「ニンテンドーWi-Fiコネクション」を利用して遠隔地にいるユーザーとの快適な通信プレイを楽しめる『マリオカートDS(仮称)』や『どうぶつの森DS(仮称)』といったソフトが登場を予定しています。「コミュニケーションツール」としてのニンテンドーDSは、今後のさらなる発展に期待です。

左写真/『ニンテンドッグス』 →紹介記事
右写真/『ピクトチャット』
(C) 2005 Nintendo

“異質”な機能が、“ゲーム”を再定義する

さらに、ニンテンドーDSの“異質”な機能は、ゲーム以外の分野への応用や、ゲームというエンターテインメントそのものの定義を広げることにも貢献しています。脳を活性化させるさまざまなトレーニングを収録した『脳を鍛える大人のDSトレーニング』や、知りたい言葉をタッチスクリーンで楽に&楽しく調べられる電子辞書『DS楽引辞典』、最先端のメディアアート作品を自分の手で生み出せる『エレクトロプランクトン』などが、代表例として挙げられるでしょう。

上写真/『脳を鍛える大人のDSトレーニング』 →紹介記事
左下写真/『DS楽引辞典』 →紹介記事
右下写真/『エレクトロプランクトン』 →紹介記事
(C) 2005 Nintendo (C) Sanseido Co.,Ltd.2005 (C) ほぼ日刊イトイ新聞 (C) 2004 Nintendo (C) 2005 Toshio Iwai / Nintendo

もちろん、いわゆる“ゲームらしいゲーム”も数多く登場しているので、“既存”のゲームファンの期待にもしっかりと応えています。最近では、週刊少年ジャンプの歴代人気キャラクターたちが競演する格闘アクション『ジャンプスーパースターズ』が大ヒットを記録しているようで。

写真/『ジャンプスーパースターズ』
(C) JUMP SUPER STARSプロジェクト (C) 2005 Nintendo / GANBARION

そういえば、昨年末に当サイトのインタビュー(記事はこちら)をお受けいただいた任天堂企画部の萩島光明さんは、『ジャンプスーパースターズ』を集英社と共同開発するに至った経緯をお聞きしたときに、「かつてない遊びを届けようとする任天堂の姿勢と、つねに新しく、面白いマンガを追求されている集英社さんには、共通する所があると思います」と語っておられました。任天堂の、そしてニンテンドーDSの方向性を端的に表していますね。

ちなみに、2004年CESAアンケート調査によるハード別ソフト開発費の平均は、PSPが9000万円、ニンテンドーDSが3700万円とのこと。
次世代機の登場により、グラフィックやサウンド面の性能向上や差別化の難しさ、ゲームソフト開発費の高騰などが懸念される日本のゲーム産業。ゲーム機としての性能をただ豪華にするだけではない、まったく新しいエンターテインメントを創造するために開発されたニンテンドーDS。その未知なる挑戦が世間に広く受け入れられ、大成功を収めつつある現状に、ホッと胸をなでおろしているゲームファンは私だけではないでしょう。

【関連ページ】
「ニンテンドーDS」公式サイト
『ジャンプスーパースターズ』公式サイト
「プレイステーション・ポータブル」公式サイト

 

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