散歩/和む散歩ルート

浅草で懐かしい遊びスマートボールを堪能!(2ページ目)

浅草といえば、懐かしい遊びがいっぱいあるのではないかと散歩に出かけた。どことなく懐かしい世界がそこにはあった。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

馬道通りを越えて言問橋を渡る

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なんとも悲しい気分になった言問橋。

言問通りまで出て、馬道りを越える。
なぜ馬道なのかといえば、このあたりに馬場があったからだと言われるが、
そのほかにも吉原へ馬で通った道だからなど諸説あるそうだ。
馬道通りを越えれば言問橋だ。
「この橋の欄干にある黒い染みは人間の脂なんですよ」
と東山さんが言う。第二次大戦で空襲にあった東京。この橋は両側から火災を免れようとして人々が押し寄せたそうだ。
そして、隅田川は死体であふれていたのだと東山さんは言う。
もちろん僕も東山さんも戦争の経験はない。
平和な時代の隅田川を渡る。川からの風が心地よい。
橋を渡ったところで、釣り堀があるのを発見した。ほう、こんな場所にあるのだ。
しかし、門が閉ざされている。
「1時からだよ」
話しかけてきたのは小柄な元気のいいおじさんである。
「家にいても粗大ゴミだからさ、ここに毎日くるのさ」
と笑いながらおじさんは言う。しかし、まだ時間がある。どうしようか。
東向島あたりまで歩き、時間をつぶそうかと思った。

いろは通りにある永井荷風の手書きの地図

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東向島のいろは通りにある永井荷風の取材メモ。
すでにこのコースは記事にもしているので、今回は詳細を省くが、なぜ東向島駅まで歩いたかというと、かつて東山さんが5歳までこの地に住んでいたからだ。
他人の思い出を聞きながら散歩するのもまた楽しいものだ。
東向島といえば、昔の「玉ノ井」という遊郭があった場所である。
東山さんが生まれたころ、すでにその面影はまったくなかったそうだが、
「オヤジなんかは、子供のころそういうところをのぞきに行ったなんて言ってましたよ」
と言う。なんだか生々しい歴史の証言を聞いているようで楽しい。
しかし、東山さんが5歳まで過ごした、昭和40年代はすでに今日のような街だったそうだ。
そんな話をしながら歩いていると、いつしか鐘ヶ淵駅が見えてきた。

「隅田公園魚つり場」で釣り人を眺める

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おじさんたちがいっぱい釣りを楽しんでいる
入場料はなんと30円。墨田区がやっている釣り堀で正式名称は「隅田公園魚つり場」である。ただし貸し竿はないので、竿や餌は自分で準備しなくてはならない。
ちなみに見学は無料。
さっそくさっき入り口であったおじさんに何が釣れるのか聞いてみる。
どうやら、コイやヘラブナが釣れるそうだ。と言っているうちに隣のおじさんが魚を釣り上げている。
おお、釣れるんだ。と、すぐにリリース。あ、ここは持って帰っちゃいけないらしい。
みなさん、パラソルを用意して、自分なりの竿や餌で時間をゆっくり過ごしていらっしゃる。
なんとも優雅な光景だ。こういう時間の使い方って贅沢だなぁ。

水を眺めているだけでも楽しい

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釣りはしなかったけど、水を眺めているだけでも楽しかった。
かつて、市ヶ谷駅前の釣り堀を散歩の途中に寄ったことがあるが、あのときも時間がゆっくり流れていたような気がする。この「隅田公園魚つり場」でも木陰に座り、東山さんといろいろなことを話した。すると東山さんがふとこんなことを言った。
「スマートボールはたしか上野にもありましたよ」
えっ、そうなの。というわけで、僕らの散歩はここで終わらなかった。スマートボールを求めて、再び歩き始めることにした。
言問橋を渡り、再び浅草へ。お、ちょうど上野公園行きの都バスが止まっているではないか。飛び乗る。最近はSuicaで乗れるから便利だ。というわけで、僕たちは上野へ行き、東山さんの記憶をたどりながら、アメ横へ。しかーし、かつてスマートボール屋さんがあった場所は、現在、お饅頭屋さんになっていた。
時刻はすでに夕刻だ。いやぁ、長い一日だった。
帰宅して妻にきょうの出来事を話していると、スマートボールはいまもあるはずだとのこと。きっと、営業は土日祝日ではないかとのこと。あわてて、資料を見直すと、そうだ。営業は土日祝日となっていた。とほほ。再び、土曜日に妻と行ってみることにした。

そして、ついに見つけたスマートボール! 懐かしい遊びは

浅草寺より言問橋を渡り、東向島駅を経て、鐘ヶ淵駅まで4.4kmのコース。

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