散歩/和む散歩ルート

谷根千の不忍ブックストリートで古本散歩

谷中、根津、千駄木の地域は「谷根千」と呼ばれる。ここを走る不忍通りを最近では不忍ブックストリートと呼ぶらしい。そこで行われた一箱古本市というのに行ってきた。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

不忍ブックストリートへ

根津神社は人でごったがえしていた
友人のライター、北尾トロから散歩に誘われた。

「根津で一箱古本市っていうのをやっているんで、行ってみようよ」

北尾トロといえば、ネットで古本屋さんをやっていたりして、古本にはくわしい人である。というわけで、4月29日の午前11時に東京メトロ千代田線根津駅で待ち合わせをした。駅の階段をあがって地上に出たら、そこが不忍通りである。いい天気だ。そして、けっこうな人出。「文京 つつじ祭り 根津神社」という看板があって、矢印がついていた。人々は矢印の方向へぞろぞろと歩いている。

「まずは、オヨヨさんへ寄っていこう」

と北尾トロ。オヨヨさんというのは、トロの古くからの知り合いで、ここ根津でオヨヨ書林という古本屋さんを開いている。矢印とは反対の方向へ歩く。店主のオヨヨさんはいなかったが、店頭は人でごった返していた。そこで、「不忍ブックストリート」と「一箱古本市」のことがわかった。

谷中、根津、千駄木地域(谷根千と呼ぶらしい)を走る不忍通りを中心にして個性的な新刊書店、古書店、図書館、カフェなどがあり、「本と散歩が似合う街」として「不忍ストリート」と命名されたそうだ。そして、散歩しやすいようにマップが用意されている。この「不忍ストリートMAP」というのはイラストでわかりやすく説明されていて、実に便利。このマップはこのあたりの各店舗で無料配布されている。そして、年に1回、不忍ストリートが行っている一般の人たちも古書店を出せるイベントが「一箱古本市」である。

各人、段ボール箱に古書を詰めて売っているのだが、これが実にいろいろな種類の本が並ぶ。さらにおもしろいのは、各ポイントごとのスタンプラリーをやっていて、スタンプを集めると賞品がもらえる仕組みになっているのである。

根津神社のつつじ祭りからネパール料理

インド・ネパール料理「ミルミレ」でランチ

さて、お腹がすいた。どこへ行こうか。ちょうどお昼時ということもあって、どの店にも行列ができている。どこにしようかと迷いながらも足は根津神社へ。どんどん人が多くなってくる。

根津神社は都内でも古い神社である。案内板を見ると、日本武尊(やまとたけるのみこと)が千駄木の地に創建したと書かれている。そして、斜面につつじ苑が広がっている。多くの人たちがここをのぼり、つつじを鑑賞しているのだ。境内に進むと、能が行われていたり、猿回しがあったり、数多くの露店が出ていたりで、実に楽しい。今でいえば総合テーマパークといったところだろうか。

とはいえ、すごい人である。僕らは人ごみを抜け、もう一度、不忍通りまで出て、食事のできるところをさがした。

「あ、これこれ。前にも来たことあるよ、ここにしよう」

と案内してくれたのが、ネパール・インド料理「ミルミレ」というお店。中に入ると、ネパール人らしき女性が迎えてくれた。

「夫婦でやっているんだけど、前に来たときには、小さな娘がいてね…」

とトロが僕に話してくれた。そこへ、ちょうど娘さんが小学校から帰ってくる。

「大きくなりましたねぇ」

とトロが感心。僕たちは「ベジタブル・ジャル」1600円を注文。野菜カレーにライスとナン、サラダなどがあり盛りだくさん。カレーはけっこうあっさりとしている。おいしいねぇ。
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