日本画/日本画関連情報

JSP-Portrait-鈴木良平

・・・絵を描くことは、人と関わり合うことと似ている。分かろうとするけれど、なかなか分かりあえない。分かり合えたと思えば、すぐに裏切られる。それでも、また求めてしまう。

執筆者:松原 洋一

SUZUKI RYOHEI


鈴木良平
1980年 大阪府生まれ
2004年 金沢美術工芸大学日本画専攻卒業
2006年 同大学院修士課程修了
現在同大学院博士後期課程在学中

近頃思うこと/絵を描くことは、人と関わり合うことと本当によく似ているな、と思います。 分かろうとするけれど、なかなか分かりあえない。分かり合えたと思えば、すぐに裏切られる。それでも、また求めてしまう。 なかなか難しい相手ですが、一生付き合っていける愛すべき存在です。

◇制作の視点

私たちは日々の暮らしの中で様々なものに出会います。例えば、足元に転がっている石ころや公園の木々、川や山など。毎日見ているはずなのに、ふとした時に全く違ったモノに見えることってありませんか? そんな対象の新鮮な見え方――「鮮やかな見え」は、見ようと思って見えるものではなく、また一度見えたとしても次の瞬間には消えてしまうような刹那的な出来事です。でもこの「鮮やかな見え」との出会いこそが、私の制作の出発点であり、原動力なのです。

かつて私は絵画を「何かを再現したもの」とか「何かが言い表されているもの」ととらえていました。そのため、私は画面に対象を再現することが何より重要だと思っていましたし、画面に意味を与えようと躍起になっていました。 しかしそうじゃないよな、と最近は考えるようになりました。絵画は、モチーフとなる対象の再現物でもなければ、概念で塗り固められた物語性を表すものでもない。それらはすべて、絵画を、作者の操作可能な対象とみなすものでしかなく、そのため絵画はオブジェと化してしまいます。

絵画をオブジェとしてとらえるのではなく、絵画それ自体としてとらえることで、対象の「鮮やかな見え」を再現するのではなく、絵画それ自体の「鮮やかな見え」をつむぎ出していきたい。日々の暮らしの中で出会う対象と同じように、絵画もモノとしてとらえたい。そんなことを考えながら制作しています。
◇作品について

2007年制作の作品です。

「廻」


日本画四人展「穿(うがつ)」(柴田悦子画廊)に出品予定の作品です。

「樹流」

◇9月の「2007 金沢美大OB 東京・銀座大展覧会」について

金沢美大の現役学生からOBまで、様々な作家の作品が一堂に会します。きっといろいろな出会いがある、刺激的な展覧会になるのではないでしょうか。私もどんな出会いがあるのか楽しみです。是非いろんな方々に来ていただきたいですね。

展覧会名:2007 金沢美大OB 東京・銀座大展覧会
鈴木良平出品予定グループ展
会期:2007年9月10日(月)~9月15日(土)
日本画四人展「穿」、会場:柴田悦子画廊
グループ展、会場:アートフロンティア



■「2007 金沢美大OB 東京・銀座大展覧会」は金沢美術工芸大学の卒業生が会期(2007年は9月10日~15日)を決め、銀座界隈で一斉に個展・グループ展を開催する大イベントで、2004年に続き2度目になります。今後、オールアバウト[日本画]では出品予定の日本画家をシリーズで紹介していきます。→2007 金沢美大OB 東京・銀座大展覧会詳細

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