年金/年金アーカイブ

有料老人ホームのお金事情

老後の選択肢として、増えている有料老人ホーム。さまざまなビジネスから参入が相次いでいるだけに、居住空間やサービス、医療サポートなど全てにおいて玉石混合の状態です。老後資金を考える際の参考のために、イマドキの有料老人ホームの種類と必要資金の目安をご紹介します。

執筆者:牧野 なな子

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一言で有料老人ホームといっても、健康な方から介護まで、対象になる方の健康状態、介護サービスの内容によって、「健康型」「住宅型」「介護付き」の3つに分類されています。

元気な方の有料老人ホーム

今や若者より元気なご老人がたくさん!早いうちからアクティブライフを満喫するために、ハイクラスの環境が整う高級有料老人ホームを選択する方も増えています。一歩足を踏み入れると海外のリゾートホテルと見まごうばかりの施設もありますが、お値段もそれなり・・です。

■健康型(対象:自立の方のみ)
快適な居住性に重きが置かれ、建物や内装、調度品が豪華で、共有スペースとして露天風呂やトレーニングルームをはじめ、社交ダンスの広間や図書館など暮らしを楽しむための施設が充実しているところが目立ちます。費用は概して高め。施設内で介護サービスの提供はありません。グループ内で介護付きの施設が用意されていない場合は、退去することも心しておきましょう。介護難民にならないように、手元に資金は残しておいてください。

【費用】
入居一時金:都内・近郊でおおよそ2,000万円~5,000万円位
                     1億円以上のものも。     
                     入居後、一定期間で償却され、償却前に退去、死亡した場合には、
                     一定額が返還されることとなります。

月額費用:およそ25万円~35万円(管理費、食費含む。別途光熱費や消耗品
費、送迎費用などがかかる。)

施設によって月額費用に含む内容が大きく違いますので、一概に月額費用だけで比較ぜず、必ず確認することが大切です。

地方の場合は、一時金は高くても、月額費用がおよそ15万円~など比較的抑えた料金設定のようです。

介護が必要になった方の有料老人ホーム

同居がままならぬ現在の住環境、家族の繋がりの中、介護状態が進んだときは、介護施設を利用するケースが増えています。地域介護の窓口であるケアマネージャーの方も「介護される方もする方もお互い無理や我慢が募る前に、頼れるところは頼るのが一番。」と、公的・民間、短期・長期にかかわらず介護施設の利用を薦めています。

介護保険制度を利用した低額の特別養護老人ホームは、入居待機者は2009年12月現在約42万人(厚生労働省発表)と、入所できるまで時間がかかるのが現実。いざというときのために、介護のための有料老人ホームも知っておきたいものです。

住宅型(対象:自立・要支援・要介護の方)
介護が必要な人は、自宅で利用するのと同様に、外部の介護事業者と契約し、訪問介護や訪問介護のサービスを受けることになります。費用の中に介護サービス料金は含まれないので、別途支払うことになります。建物の一部に外部の介護事業者が入っている場合があります。

介護付(対象:要支援・要介護)
老人ホームのスタッフが、食事などだけでなく、入浴や排泄など日常生活全般の介護サービスも提供。ホームが委託する介護事業者が介護サービスを提供する(外部サービス利用型)ホームもあります。

【費用】入居一時金:0~5,000万円
月額費用     :15万円~30万円程度

いろいろ施設を見学していると、首都圏ではおおよそ3段階に分かれているようです。
・入居一時金が必要ないタイプ
・500万~1,000万円前後
・2,000万以上
施設の設備や介護サービスの内容の違いはもちろんのこと、住宅と同じく、土地の相場や建物の管理形態なども大きく影響します。新聞の折り込み広告などで、近隣の状況を見ておくとよいでしょう。

施設を費用で検討する場合、入居金が安い方が入りやすいと感じるかもしれませんが、実は月額費用が高いということもあります。入居一時金と5年間もしくは10年間の月額費用の合計で比較し、トータルでかかる費用で検討することをお勧めします。

◇    ◇    ◇    ◇    ◇

セカンドライフの住まいの選び方は、まず自分がどう生きたいか、どんな人生のエンディングを迎えたいかを考えることから始まります。まだまだ、自分も親もそんな歳ではないという方も、一度老人ホームを見学すると、人生の生き方、セカンドライフの輝き方を考えるいいきっかけになりますよ。




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